世渡りと生きがいNO26〜NO30
目次 D



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************ 世渡りと生きがい〔素読の行)vol 26***************
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1)はじめに
2)漢文読み下し文
3)古典漢文
4)陰陽(易経)思考法
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(1)はじめに
     君子務本という教えがある、儒教の基は論語にありますので、論語内
     の学而第一を取り上げて行きたいと思います。 現在の世情をみると
     言動が乱れています。この論語は覚えるのでなく、唱和、朗読、素読
     することが大切のように思います。

 (2)漢文読み下し文
    論語 (学而第一)

 1   子(し)曰(いわ)く、学んで時に之(これ)を習う  
      亦(また)説(よろこ)ばしからずや。
      朋(とも)有り遠方より来(きた)る、亦楽しからずや。
      人知らずして慍(いか)らず、
      亦(また)君子(くんし)ならずや。

 簡訳: 人知らずして慍らず:人が自分を認めなくとも怒らず

2  有子(ゆうし)曰く、
  その人と爲(な)りや孝弟(こうてい)にして
    上(かみ)を犯すことを好む者は鮮(すくな)し。
    上を犯すことを好まずして乱(らん)を作(な)すことを
    好む者は未(いま)だこれあらざるなり。
    君子(くんし)は本(もと)を務(つと)む。
    本(もと)立(た)ちて道(みち)生(しょう)ず。
    孝弟(こうてい)なるものは
  其(そ)れ仁(じん)を為(な)すの本(もと)か。

  孝弟:父母に良く従う、親孝行、目上に良く従う、
  君子:学を学ぶ者    本を務む:根本が大切である。

3  子曰く、巧言(こうげん)令色(れいしょく) 鮮(すくな)し仁(じん)

 簡訳:巧みな言葉、飾った外貌の人は徳のある人、中味のある人は
     少ない、

4  曾子曰く、吾(われ)日(ひ)に
    三たび吾(わ)が身(み)を省(かえり)みる。
   人の為に謀(はか)りて忠(ちゅう)ならざるか。
   朋友(ほうゆう)と交(まじ)わりて信(しん)ならざるか。
   伝えられて習(なら)わざるか。

   簡訳: 私は日々三つ反省している、人のために真心を持って行ったか
     友達には信用ある言動をとったか、教えられて習い覚えたか

 5  子曰く、千乗(せんじょう)の国を道(おさ)むるに、
     事(こと)を敬(けい)して信(しん)。
     用(よう)を節(せっ)して人を愛し、
     民(たみ)を使うに時を以(もっ)てす。

    千乗の国を道むー千輛の兵車を出すほどの大きな国を治めるには、
     事を敬しー国事を慎重に行い 、 信−信用され、言動の一致
     用を節しー費用を節約し、 時を以てすー民の仕事の閑の時をねらう。

(3)漢文
     論語  (学而第一)
 1   子曰、学而時習之。   不亦説乎。
     有朋自遠方来、不亦楽乎。
     人不知而不慍、
     不亦君子乎。


 2   有子曰、基爲人也孝弟、
     而好犯上者、鮮矣。
     不好犯上、而好作亂者
     未之有也。
      君子務本。本立而道生。
      孝弟也者、其爲仁之本與。

 3  子曰、巧言令色、鮮仁。

 4  曾子曰、吾日三省吾身、  爲人謀而不忠乎。
     與朋友交而不信乎。   傳不習乎。

 5  子曰、道千乗之國、 敬事而信。
    節用而愛人。  使民以時。

(4)陰陽思考法
     貝原益軒の和俗童子訓の中に古典を習う方法には
  1、忙しく、速く読むべからず、ゆるやかに読むべし。
  2、書を眼で見て、口で読み、心に到る。
  3、読み覚えても時が経てば忘れる、多く読誦すれば、自然に
   覚えて、久しく忘れず。 従い何回も熟読すべし。
  4、繰り返し読みて、数十偏つとめてから、其の先を読むべし。
      繰り返し読まずして、広く数十巻の書を読んでも益無し。
  5、書を読むには読み声を明らかにし、読むべし。
  6、書を読むには、熟誦しても久しく読まざれば必ず忘る。
      故に書を読み終わって後、既に読みたる箇所を時々繰り返し
      読むべし。又毎日三、四、五度と授かりたる所を、今日読み
      習うところに通して、後読むべし。このようにすれば忘れず。
  7、四書五経を毎日百字づつ、百偏熟誦して読み、書くべし。
           是ほどのこと、老いらくの年と言えども努めて為し安し。
  8、此れに勝れる学問の方法はない、若きも老いしも此の方法で学び
      たる者は将来の財産となる。

  このように記して素読を勧めている
   現今は知識教育(顕在意識)が主である、小学生、中学生、高校、大学
  の時代に恩師、敬う師を持っている学生がいるかがその人の人格を、将来
   を左右するように思う。  学生は先生を軽視する言動が多く、自らを駄目
   にしている。学ぶ者の基は「君子務本」は親を敬う、師を敬する考えを持
   つことが基だろうと思います。
其のためには、「此れに勝れる学問はない」 と貝原益軒翁が記しているよう
に知識とならない教育、漢文の素読が日本の教育には欠かせないように思う
 のです。    此の教えを義務教育の中に、道徳教育にしてしまうと間違った
 方向にいってしまう。   江戸時代の寺子屋教育のように学校以外の私塾で、
 寺院で、親が子に、孫に教える方法が適しているように思う。
      
 
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************ 世渡りと生きがい〔素読の行)vol 27**************
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1)はじめに
2)漢文読み下し文
3)古典漢文
4)陰陽(易経)思考法
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(1) はじめに
   論語2回目として学而第一の続きを記します。ある人は論語より
   老子の論を好む人がおりますが本(基本)は論語にあり、この教えから
   他の教えに展開し他の儒教四書五経を学ぶことが賢明な方法であろう
   と思います。  又他の老子、荀子、言志四録、韓非子他へと学んでいく
   ことが古典の学びの道と思います。

(2)漢文読み下し文
      論語   (学而第一)ー(2)
 1  子曰く、弟子(ていし)、 入(い)りては 則ち孝(こう)、
     出(い)でては則ち弟(てい)に、
   謹(つつし)んで信(しん)に、    
   汎(ひろ)く 衆(しゅう)を愛して仁(じん)に親(した)しみ、
    行(おこな)うて餘力(よりょく)あれば則ち以て文(ぶん)を学ぶ。

   簡訳:子供は家庭内では親孝行をし、外に出ては良く先輩につかえて
      慎んで信用され、皆を愛し、敬愛する者に親しみ余力があれば文を
      学びなさい。

 2  子夏(しか)曰く、賢(けん)を賢(けん)として 色に易(か)へ、
   父母に事(つか)へて 能(よ)く其の力を竭(つ)くし、
    君(きみ)に事(つか)へて能(よ)く其の身を致(いた)し、
    朋友(ほうゆう)と交わるに、 言いて信(しん)有(あ)らば、
    未(いま)だ学ばずと曰(い)うと 雖(いえど)も、
    吾(われ)は 必ず之(これ)を学びたりと謂(い)はん。

 簡訳: 賢者には尊敬の意を表し父母には力を惜しまずつくし、
   他人、友達には信を持って交わりあるならば学んでいないと
      と言えども吾は充分学びたる人物だと断言する。

 3 子曰く、君子は重からざれば則ち威(い)あらず。
  学も則ち固(かた)からず 、
   忠信(ちゅうしん)を主(しゅ)とし、
  己(おのれ)に如(し)かざる者を友とすることなかれ。
 過(あやま)っては則ち改(あらた)むるに憚(はばか)ることなかれ。

  簡訳:人を指導する人は言動には重々しくしないと威厳なく、
   学ぶ所もしっかりしていると思われない
     常に忠信を忘れずに、己に劣る短所の者を友とするなかれ、
  (長所 を見つけて友とせよ)自らに過ちがあれば即改めるが
   良い。

4   曾子曰く、終わりを慎み遠きを追へば、
  民の徳厚きに帰す。

 簡訳:人は親の葬祭を慎み深く誠を尽くし行えば、
  国は徳厚き民に自然に感化されるであろう。

 5   子禽(しきん)子貢(しこう)に問うて曰く、
   「夫子(ふうし)の是(こ)の邦(くに)に至るや、
   必ず其の政(まつりごと)を聞く。
      之を求むるか。 抑(そもそも)之を与ふるか。」
      子貢曰く、「夫子は温良(おんりょう)恭倹(きょうけん)
   譲(じょう)以(もっ)て之(これ)を得(え)たり。
      夫子の之を求むるや、
      其(そ)れ緒(こ)れ人の之を求むるに異(こと)なるか」

 簡訳:子禽は 子貢に聞く、
      先生はどの国でも政(まつりごと)を聴かれますが 先生自身が
   求めているのでしょうか、それとも国が与えを求めているの
   でしょうか、
      子貢答える。先生は温ーおだやかで良ー素直で 恭ー慎み深い
   倹ー節制 譲ー謙遜なことを備えている。従い相談を求められる
      のです。


(3)古典漢文
 
   1  子曰、 弟子入則孝。
       出則弟、。
       謹而信。
       汎愛衆而親仁。
       行而有餘力、 則以學文。


   2   子夏曰、 賢賢易色。
     事父母 能竭其力、
       事君能致其身、
       與 朋友交言而有信、
       雖曰未學 、
       吾必謂之學矣。

  3   子曰、君子不重則不威。
    学則不固。
      主忠信、
      無友不如己者。
      過則勿憚改。


  4   曾子曰、 慎終追遠、
    民徳帰厚矣。


  5   子禽問於子貢曰、
    夫子至於是邦也、
   必聞其政。
      求之與。  抑與之與。
      子貢曰、夫子温良恭倹譲以得之。
      夫子之求之也、
      其緒異乎人之求之與。

 (4) 陰陽思考法

   貝原益軒の義方(ぎほう)の教え
      義方とは義理の正しい事をもって子供の悪いことを戒める。
   子供はかわいがり過ぎて気ままにさせることは必ず後の禍
   となる。 幼児の気ままを抑えて私欲を許してはいけない。
      愛が過ごせば 必ず驕りが出てきて其の子ののために禍となる。

  〇子供を教えるのに父母が厳しくすると、子は畏れ慎んで親の
      教えを聴いて背かない。 従って孝行の道が行われる。

  〇父母がやわらかにして厳でなくかわいがり過ぎると、子は父母
      を畏れないで教えが行われず、戒めを守らず 従い父母を侮り
      孝行の道が行われない。
    ここで厳しく相手(子供)の身になって叱るのであり、感情的になって
    怒ってはならない感情的に怒って体罰を加えれば児童虐待となる。
    良きところはほめたたえて、悪しきところは叱ってあげる優しさ、
    と厳しさの強弱(陽陰差)を大きくつけることが肝要である。
  ひとつ誉めたたえ、ひとつ叱る心得が必要となる。
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************ 世渡りと生きがい〔素読の行)vol 28*************
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1)はじめに
2)漢文読み下し文
3)古典漢文
4)陰陽(易経)思考法
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(1)はじめに
   若者が市長、県知事が壇上で訓話をしているときに、騒いだ、暴れた行動
   が問題になったが、この壇上の話の内容と長さにはどの会合でも辟易す
   する。 3分ぐらいで良い内容を10分以上話している人が多い。
   訓話の内容が若者の心に響き、語りかける名演説を期待したいと思う。

 (2)漢文読み下し文
       論語 学而第一(3)

11、 子曰く、 父在(いま)せば 其の志(こころざし)を観(み)
      父 没すれば其の行いを観る。
      三年父の道を改(あらた)むるなきを孝(こう)と謂(い)うべし。

 簡訳: 父が存在するときは、子の志の善し悪しを見て、父が亡くなった
    後はその行動を見て判断し、3年変わった行いがなければ孝行であ
    ると言うべきであろう。

12、有子(ゆうし)曰く、
    礼の和を用いて貴(たっと)しと爲(な)す、
    先王(せんおう)の道、これを美(び)と爲(な)す。
    小大(しょうだい) 之(これ)に由(よ)る。
    行われざる所あり、
  和(わ)を知って而(しこう)して和(わ)すとも
    礼(れい)を以(もっ)て之(これ)を節(せっ)せざれば、
    亦(また)行(おこな)わるべからざるなり。

 簡訳: 礼儀は和があって 貴いのであり、 先王の道はこれを美としている
   小事、大事もこれが大切である。だが礼の儀式、形だけになってしまい、
   和が行われないことを気をつけるべきである。

13、 有子曰く、信、義に近づけば、言(げん)復(ふ)むべし。
     恭(きょう)、礼(れい)に近づけば、恥辱(ちじょく)に遠ざかる。
     因(よ)ること 其の親(しん)を失わざれば、
   亦(また)宗(そう)とすべし。

 簡訳: 約束は道理に適ったことであれば行うべきであり、慎み深く
    礼を行えば恥じを欠くことは無い、一時人にたよるときその人物の
  親しみべき人柄を見て尊敬する人とすべきである。


 (3) 古典漢文
     論語-学而第一(3)

11、 子曰、 父在観其志、
      父没観其行。
      三年無改於父之道。可謂孝矣。

12、有子曰、禮之用、和爲貴。
    先王之道、斯爲美。
    小大由之。
    有所不行、 知和而和、
    不以禮節之。   亦不可行也。


 13、 有子曰、信近於義、言可復也。
      恭近於禮、遠恥辱也。
      因不失其親、 亦可宗也。

 (4)  陰陽(易経)思考法
    自己表現力 と創造力
   人間の本能には食欲、性欲、のほかに自己顕示欲がある。
   この自己顕示欲は満たされなくいろいろな犯罪に結び付くことがある。
   目立ちたい、皆に自分を大きく見せたい、表現したい、だが自らを周囲に
   アッピールする何物も無い従い、勇気があるんだ、俺は、俺はと暴走族、
   新聞に載る事をしてみたかった、注目を浴びたかった感覚で重大な犯罪
   を起こしている若者がいる。 この若者の不足しているものは自己を表現
   する力が足りないことである。 最近は 成績優秀であり、おとなしい、優し
   い、 真面目な子供たちが大事件を起こす傾向がある。

  自己表現力とは手と足と口にて自分の思い、考えを表現をして周囲に
  納得させることであるが、その最大の武器は口から出る、豊富な言葉、
   語彙である。  英語の単語を何万語も知っていても英会話ができないの
   と同じで何回も口から出していなければ活用することはできない。
   豊富な語彙を増やすことは中国古典、日本の古典を何回も素読(音読)す
   ることが一番よい方法である。
   外国の大統領の名演説集はあるが、日本の政治家の名演説集を見たこと
   がない、日本人の場合は小さい時から自分の考えを表現する力を磨く場
   がないため、自己表現力を言葉にすることが苦手である。

  テレビでも「朝まで生テレビ」で討論をしているが考えを述べているので
   なく他人の考えを批判する番組になっている。 3分〜5分各々本人の考え
   を述べ合ってから討論する場を設けるべきである。
   一つのテーマに対して自分独自の考えを創造してはっきりと言葉に表現
   していく力を磨くことに慣れる事が必要のように思う。
   その自己表現ができない人間は法から逸脱した乱れた犯罪行動を起こし
   ていくのである。

「素読の方法については、HP易経を現代に活かすの39章を参照ください。

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************ 世渡りと生きがい〔素読の行)vol 29*************
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1)はじめに
2)漢文読み下し文
3)古典漢文
4)陰陽(易経)思考法
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 (1) はじめに
    論語の始章−学而第一を4回に分けて記してきました。論語学而第一
    はひとまず今回でお別れして次回は他の古典を照会していきましょう。
    孔子の考えに固執することなく、別の視点の考え、思考を学ぶことが
    視野を広く寛容な精神を学べます。
    聖人の教えは、2000年〜2500年を経ても現代に通じる教訓と
  なりますが、宗(心)の教えに、古典の教えにおいても絶対的教えと
    信じたときから他人との心の葛藤が生まれ、争いが生じます。
    歴史が物語るように宗教戦争が起こる根因は一つの聖人の教えが絶対
    に正義だと信じた時から他人の考えを拒絶し、無視、根絶するように
  なります。 何事も過ぎたるは猶(なお)及ばざるが如し。
 (2)古典読み下し文
 論語 学而第一(4)

14、子曰く、君子は食飽くことを求むるなく、
     居安きをも 求むるなく、
     事に敏にして言に慎み、
    有道に就いて正すを学を好むと謂うべきのみ。

 簡訳: 学に志す者は、食を飽きるほど求めず、安楽な生活を求めずに
   学業に励み、行動すべきことは素早く行い、言は良く考えて話す人こそ、
   学を志し、学をを好む人と言うべきだろう。

15、子貢(しこう)曰く、「貧しうして諂(へつら)うことなく、 
    富(と)んで驕(おご)ることなきはいかん」
   子曰く「可(か)なり、未(いま)だ貧(まず)しうして
    楽しみ、富んで礼を好む者に若(し)かざるなり」
    子貢曰く、「詩に云わく、切るが如く磋(みが)くが如く
    琢(う)つが如(ごと)く磨(と)ぐが如(ごと)し」 と。
    其(そ)れ 斯(これ)を之(こ)れ謂(い)うか。」
    子曰く賜(し)や、始めて与(とも)に詩を言うべきのみ。
    これに往(おう)を告(つ)げて来(らい)を知る者なり。」

 簡訳: 子貢が孔子に質問する、
   「貧しくして諂う事なく裕福になって
  驕らない人は良い人でしょうか」「良い人だが未だ貧しさを忘れ、
  楽しみ、裕福になっても礼儀正しい者には 及ばないなあ」
    子貢 「 詩に 言う切磋(せっさ)琢磨(たくま)とはこのことを言
  うのですね」
    賜(し)ー子貢のこと  始めて互いに詩を話し合えるようになった、
    過ぎ去ったことを告げて未来を知る者だ。

16、 子曰く、人の己(おのれ)を知(し)らざるを患(うれ)へず。
      人を知らざるを患(うれ)ふ。
 簡訳: 他人が自分を知ってもらえない、分かってくれないことを
    気にせずに、自らが他人を知ることに気を配る事が大切です。


 (3)古典漢文

14、子曰、君子食無求飽、
     居無求安、
     敏於事而慎於言、
     就有道而正焉、
     可謂好學也已。


 15、子貢曰、貧而無諂、
      富而無驕、如何。
      子曰、可也。
      未若貧而楽、 富而好禮者也。
      子貢曰、詩云、
      如切 如磋、
      如琢 如磨。
     其 斯 之謂與。」
     子曰、賜也、始可與言詩已矣。
     告諸 往而知来者。」


 16、 子曰、不患人之不己知。
     患不知人也。


 (4) 陰陽(易経)思考法

  現在日本の景気は数年間低迷を続けています。去年、今年と特に目立
  った傾向があります。流通業、製造業、金融業において大企業間の合
  併です。

 この流れの根底にある考えは資本主義NO.1となる勝者が決まるまで
   競争を繰り広げる思想です。 従い、現代は中、小、の業者が大企業に
   仕事を奪われ経営の基盤が崩れて苦しんでいます。
   但しそれ以上に苦しいのは大企業です、生命保険、銀行の大手が相次い
  で倒産しているように、他の大手企業も同じような状態になり、長期資金繰
   計画で倒産の予測を内々で決まり倒産より吸収合併を選択して行く状況
   です。 敵対関係にあった会社同士が合併することはお互いが苦渋選択
   合併するのが現代の特徴です。 両者が吸収されたと考えている合併です。

 又合併し極大化した企業同士の闘いが起こり又その相手同士が合併
   していく競争社会になってきています。

  日本の大企業の社内の考えの特徴は
        「全員賛成異議無し表決による企画決定です。」
   企画会議、販売会議、意志決定会議、といろいろ行われますが最終的には
   異議無しで決定してしまいます。 始めから結論は決まっているのです。
   ここで素晴らしい案(陽)には必ず大きな盲点、欠点(陰)があることを知る
   べきです。
   聖人の教えを信じ過ぎる平和主義者が戦争を仕掛けていき二千年、三千
 年と 互いに苦しみあっています。
   聖人の教えが真の正義(陽)であればあるほど、信じ過ぎた人間に盲点
   が生まれ、相手、他人との大きな摩擦、苦しみ(陰)が生じます。
 
 全員賛成で決定した素晴らしい(陽)方針、企画、商品が市場に出回る時に
   相手、顧客の考えと摩擦を起こし跳ね返され、苦しみ(陰)を生じます。
   大企業の「全員賛成決議 」 を持った体質の会社がこれから厳しく淘汰さ
    れていくでしょう。 これは政治の世界にも同じことが起こっています。
 
 易経に 「 陰極まれば陽生じ、陽極まれば陰生じる。」
  この大自然の考えは陰陽合わせ持った考え、企画、商品、方針が好まれて
   います。 反対意見、陰と陽で切磋琢磨され、反論に耐え忍んで出現した、
   磨き出された商品こそ市場が受け入れることでしょう。
  これからの時代は中、小の企業が極大企業を動かしていく時代に入ってい
  ます。  技術優秀な小企業がI Tを駆使して世界の企業を動かす時代にな
 ろうとしています。 流通業ではユニクロはその先例のように思われます。

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************ 世渡りと生きがい〔素読の行)vol 30*****************
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1)はじめに
2)漢文読み下し文
3)古典漢文
4)陰陽(易経)思考法
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 (1) はじめに
     歴史の意義について、歴史家トインビーは往を告げて来を知る如く、
   過去を知る事によって未来を知ることができる、予測することが出来
     ると言っている。 古典史記3000年前の歴史を学習して現代、未来観を
     自らつかみ取っていき自らの未来を展望する力を身につけよう。

 (2)古典読み下し文
    司馬遷−史記
    1、微(び)を見て清濁(せいだく)を知る。

       簡訳:知恵ある者はささいな面を見て、全体の清濁、良し、悪し、
          を判断することができる。

     2、天は高くして、卑(ひく)きに聴く。

      簡訳:天は高いが低き隠れた所をよく聴き知っている、必ず悪事を
        表面に引き出してくれる。

   3、天(てん)定(さだ)まって亦(また)能(よ)く人に勝つ。

       簡訳: 乱世においては悪が通ることもあるが、天が定めて道理が
           勝つ正しい人が勝つ世の中になっていく。
    4、寧(むし)ろ鶏口(けいこう)と為(な)るも

    牛後(ぎゅうご)と為(な)る勿(なか)れ。

        簡訳: 大きな者の後ろで行うより、小さくとも先頭になって
          行動せよ。

    5、交(まじ)わり絶(た)ちても悪声(あくせい)を出(い)ださず。
        簡訳: 交際を止めてからは、その人間の悪口は言うな。
 
   6、燕雀(えんじゃく)いずくんぞ鴻鵠(こうこく)の志しを知らんや。
          簡訳: 小さなスズメには大きな鳥の志を知ることはできない。

(3)古典漢文

    1、見微而知清濁。
    2、天高聴卑。
    3、天定亦能勝人。
    4、寧爲鶏口勿爲牛後。
    5、交絶不出悪聲。
    6、燕雀安知鴻鵠之志哉。

 (4) 陰陽(易経)思考法

    現代は知識重視、偏重にあり現代の若者は知識があり過ぎると言われて
    久しい。  しかし、本当に知識豊富なのであろうか、 テレビやその他の
    マスコミから流れる若者の意見、考えを聴いていると、本当に現代社会に
  必要な知識を身につけているのだろうかと疑いたくなる言動が多いように
    思う。  大学まで身につけた学問は社会から遠く隔離した知識を学び、実
  社会に出て全く役に立たない技術、知識を身につけていることが解り、企
  業で再教育をしていく事が常識になってるように思う。

    現代の教育改革と叫ばれているが実社会に即活躍できる人材を育成する
    機関が学校であるべきと思うのだがいかが皆さんは考えるだろうか。
    大学を出て電話の応対から細かく教え込む、会話する話し方、交渉の仕方
    テクニックと言う基本を1カ月から6カ月教え込んでいく期間が以前は企業
 にあったが今その余裕のある会社は今は少ない。

  学校では知識重視の試験が繰り返され生徒は試験のために勉強し試験が
    終わればその内容は忘れてしまう。  試験、試験が繰り返され、受験合格す
    ると目的達成ですべての知識は忘れ去られてしまうのである。
   現代は知識重視は形式、構造上だけで、育つ生徒はその場だけの空
   暗記に終わっている。  表面だけの暗記では実社会には役に立たない、
   現代の教育はコンピューターに譬えると、100ギガの用語がディスクに
   記憶されている、しかしそれを必要なときに引き出す事ができない状態に
   似ている。 従い実社会に出て学生時代に身につけた知識、技術を活用する
   事ができないのである。
   覚えたものが必要なときに無意識に言動に出るためには、重要な覚える
  べきことを何回も素読(音読)することである。   その後少しの暗記する
   努力をすべきである。 世渡りと生きがい(素読の行)のテーマである素読
   (音読)にて潜在意識(陰)に先ず刻印して無意識に言葉が出るように
   なってから、表面意識(陽)にて覚える努力すべきである。  現代は始めから
 表面意識で暗記しては必要なときに役に立つ知識にはならない。
 ここに素読(音読)の重要視し ている所以である。


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