世渡りと生きがい NO36〜NO40

      

目次 D


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************ 世渡りと生きがい〔素読の行)vol 36***********
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[ 1 ]  はじめに
[ 2 ]  漢文読み下し文
[ 3 ]  古典漢文
[ 4 ]  陰陽(易経)思考法
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(1) はじめに
  21世紀は東洋文化の世紀であると言われているが西洋文化はこれからも
  価値ある科学という遺産は続いていくであろう。 がこれからは東西文化
  の融合が21世紀の課題となっていき新しい黎明が開かれていくであろう。

(2)古典読み下し文

  老子第三章−続  
   常に民をして

   無知無欲ならしめて

   夫(か)の知者をして

   敢(あ)えて為(な)さざらしむ

   無為(むい)を為(な)せば、

   則(すなわ)ち治(おさ)まらざることなし。

 簡訳: 国を治める人は国民を簡素な、素朴な生活をするようにさせて
        徳の高き人にするのである。
        現代のみせかけの知識人には無関係な生活をするのである。
        賢人、知識人が行わない、自然に沿った法で国を治めれば、国民は
        不平不満のない平静な平和な国家となるであろう。

(3)古典漢文

老子第三章
   不賢尚、 使民不争。
   不貴難得之貨、 使民不為盗。
   不見可欲、使 民心不乱。
   是以聖人治、 虚其心。
   実其腹、弱其志、強其骨。(ここまで前回)

    常使民 無知無欲。

   使夫知者不敢為也。

   為無為。則無不治。

(4) 陰陽(易経)思考法
    *** エントロピーの法則***
  1970年代にアメリカのカーター大統領のブレーンのジェレミー・リフキン
 が書いたエントロピーの法則が出版されてベストセラーになった。
  熱力学第二法則ー物質とエネルギーはすべて利用可能なものから利用
  不可能 へと変換する。  決して利用可能なものには変換できない。
  (エントロピーの法則は100年前にドイツ人R.Clausius 物理学者が提唱)

 現代は家庭電器製品が大型廃棄物品で有料化されたが石油やガソリンなど
  のエネルギーは利用不可能な大気になって地球の汚染を酷くしていくばか
  りである。 もしこの大気汚染が物質であったならば地球上が塵芥で満杯
  になるのである。その汚染物質は地球上に積載され汚染大気は大気圏内
  を汚染している、そして地球の大気圏外にも利用されていない人工衛星
  の超大型塵芥が地球の周囲を巡回しているのである。
 このまま21世紀も物を造り、消費して使い捨てていく時代を続けていけば
 地球は廃墟の星となり、地球の寿命を縮めることになる。

最近はリストラというケースを用意して人間まで塵芥に捨てるようになって
 きた時代である。 活用した物も愛玩したペットも人も不要になると捨てて
 しまう世の中の風習を今改めそれを生かし再活用する転換点にきている。

  東洋哲学の陰陽、善悪、白黒を合わせ呑む社会が今必要に思う。
  今まではエントロピーを高めることが近代化であったがこれからはエント
  ロピーを低める世界にし自然を大切にして自然を活用しすべてを活かす
  ことが重要に思う。
 2500年前の老子の世界が時空を越えて現代に警鐘を与えて21世紀の
 生活社会が地球にやさしい世の中を「大自然世紀にせよ、低エントロピー
 世界にせよ」と求めているように思う。

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************ 世渡りと生きがい〔素読の行)vol 37***********
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[ 1 ]  四字熟語
[ 2 ]  漢文読み下し文
[ 3 ]  古典漢文
[ 4 ]  陰陽(易経)思考法
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(1)四字熟語

 順逆一視 (じゅんぎゃく・いっし)
  訳: 順境にも安心せずに逆境にも悲観しないで同一視する。

 欣戚両忘 (きんせき・りょうぼう)
  訳: 楽しみも悲しみも共に忘れ去る。

(2)古典読み下し文
     古典ー 礼記

  敖(おごり)は 長(ちょう)ずべからず。

    欲(よく)は縦(ほしいまま)にすべからず。

    志(こころざし)は満(み)たすべからず。

    楽しみは極(きわ)むべからず。

 簡訳: 自らの傲慢(ごうまん)さを長ずるままにしてはいけない 。
         自らの食欲、性欲、物欲を思いつくままにしてはいけない。
         自らの志を満たし過ぎてはいけない。
         自らの楽しみを極め過ぎてはいけない。
         何事も過ぎると空しさ、悲しさが生じる。

   (3)古典漢文

       敖不可 長。

       欲不可 縦。

       志不可 満。

       楽不可 極。

(4) 陰陽(易経)思考法

  大企業、官僚、金融、教育関係のトップ層の共通点は知識秀才型である。
  知的優秀な者は 答えが用意されたことについては良い成績をあげる。
 しかし直感力は劣り、有るか無いか 答えが見えない問題について
 は成績が悪い。理性、知性型の人たちは理屈でものを考えて見える
 回答を求めて行くタイプである。

 現代のどの分野の上層部も知識秀才型が多い、従い理を追求して
皆が見える回答を出す、従い反論が少ない、目前には非の無い言動を
行う、その評論する者達も知に長けた者が解説する従い評判の良い、
視聴率、支持率が良い、人気があることが一番価値があると皆が思っ
ている。

政界においても常に無難な言動、評判の良い、批判を受けない方針を
発表し、国民に支持されることが一番のトップ像だと思っている。
従い支持率の上下を気にしながらトップを変えている。 国民の支持率
で方針、対策が決定する風潮がある。

これからのトップ層に求められることは知識秀才でエリートコースを歩んで
いた者でなく、統率力のある、直感力の優れたタイプが今後求められる。
政界、経済界で今までは世界に目標となるトップ企業、国家がいたがこれか
らは見えないトップをめざす日本の態勢は未開を切り開いていかなければな
ばならない。その基は直感力と統率力優秀な、大局を誤らない人物が求め
られている。

21世紀になり、国境無き自由過激競争時代を迎えて先が一向に見えない
政界、金融界、大企業、官僚においてのトップは若き時からエリートコース
を歩んだ者が順番にトップになれば本人も、全体組織、国家も苦しみの
どん底に突き落とされるであろう。
21世紀型トップ像は知識秀才タイプから直感、統率力タイプに転換する
時代になっている。
    
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************ 世渡りと生きがい〔素読の行)vol 38***********
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[ 1 ]  古典言行録
[ 2 ]  漢文読み下し文
[ 3 ]  古典漢文
[ 4 ]  陰陽(易経)思考法
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(1)古典言行録

  秦を亡ぼす者は胡(こ)なりー亡秦者胡也
  秦の始皇帝は予言書の文言ー亡秦者胡也 を見て北方の胡(えびす)と
  思い胡(えびす)を討伐した。 秦の始皇帝の亡き後始皇帝の 末子の
  胡亥(こがい)が 二世皇帝となったが実力が無いために即秦は滅亡した。
  滅亡の根因は国外に無く、身内の胡亥にあったのである。

(2)古典読み下し文
    壮 子 

 かつそれ水の積むや厚からざれば
 
 大舟(たいしゅう)を 負(お)うに 力なし。

  風の 積むや厚からざれば

 その大翼(だいよく)を 負(お)うに力なし。

簡訳: 水が深くなければ大きな舟を浮かべることができない。
   又風が厚く強くなければ 大きな翼を浮かばせることはできない。
  同じように 学問、修行も十分に深く詳しくなければ、大きな職務を
  遂行することはできない。

(3)古典漢文
      壮 子
 
 且夫之積也不厚、
 
 則負大舟也無力。
 
 風之 積也不厚、

 則其負大翼也無力。

(4) 陰陽(易経)思考法

2500年前中国に孔子と老子が論語と老子道徳経の教えを説いている。 
老子は意識を共通意識(太極)に置き共通意識の無限界をそのまま語に
置き換えている。
孔子は意識を地球に置き共通意識(太極)の道理を人間意識に置き換え
て説いている。  

物理学者デビッド.ボーム、脳生理学者カール、プリブラムが科学、物理学
が現代になり2500年前の東洋哲学にやっと近ずきつつある段階であると
述べてから現代の西洋科学者は易学、老荘思想を学ぶ人が多いと聞く。
    
中国は、大自然の厳しさ故に、宗教の始祖を生む土壌ではない、戦も宗教
人間論他もすべてを哲学化してしまうのである。
その為に真の国民の潜在意識的土台作りができずに歴史上未だ国が豊か
に成り得ず波乱万丈の3000年が経過している。

中国大陸の大自然の厳しさ、戦乱の世でその対処に知識、知恵、顕在的に
発展隆盛しすべてに哲学化した。 孔子が他国で教えを説いていたなら宗教
として全く違うものになったと思われる。

孔子は戦国の世、生涯失業という状況に身を置いたからこそ2500年の間
光り輝く教えとなったのだと確信する。

だが論語も、老子道徳経も全学である。人間学であり、教育学、宗教学、
化学、物理学、心理学であり全ての学が含まれているのである。
従い現代の科学者が分野を問わず中国古典を研究し、専門分野の発展
に活用しているのであろう。 

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************ 世渡りと生きがい〔素読の行)vol 39************
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[ 1 ]  古典言行録
[ 2 ]  漢文読み下し文
[ 3 ]  古典漢文
[ 4 ]  陰陽(易経)思考法
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(1)古典言行録
   三年飛ばず、飛べば将(まさ)に天を衝(つ)かんとす。
   三年鳴かず、鳴けば将(まさ)に人を驚かさんとす。
     三年不飛、飛将衝天。
     三年不鳴、鳴将驚人。
    簡訳: 三年行動を起こさないのは天まで高く飛ぶためだ。
           三年宣言しないのは鳴いた時世間を驚かし天下を執るためだ。
     伍挙(ごきょ)が楚(そ)の荘王に「鳥有り三年鳴かず飛ばず、是れ何の
     鳥ぞや」 と問いかけた時の荘王が答えた言葉。
      (2)古典読み下し文
    尉繚子(うつりょうし) ー 将師の条件

  それ民に両畏(りょうい)なきなり。 

  我を畏(おそ)るれば,敵を侮(あなど)り、

   敵を畏(おそ)るれば我を侮(あなど)るなり。

   侮(あなど)らるる者は負け、威(い)を立つる者は勝つ。

   凡(およ)そ、 将(しょう)その道を能(よ)くする者は、

   吏(り)その将(しょう)を畏(おそ)るるなり。

   吏(り)その将(しょう)を畏(おそ)るる者は、

    民その吏(り)を畏るるなり。

    民その吏(り)を 畏(おそ)るる者は、敵その民を畏(おそ)るるなり。

    この故(ゆえ)に勝敗の道を知る者は、

    必ず先ず畏侮(いぶ)の権を知る。
                                   ( 次回に続く)

簡訳: 民が敵も味方にも同じ恐れを抱いていることはない。
       将の我を恐れていれば、敵を軽く見るし、
   敵を恐れていれば、将の我を侮る。
       民や部下に侮られた将の側が戦いに負け、
   威信を保った将師の側が勝ちを制する。
       将師はこの理法を良く守ることでその将は部下に恐れを抱かせる。
       部下は将を恐れ、部下である兵員を民は恐れるようになる。
       そしてその民を敵は恐れるようになる。
   将の強さ、恐ろしさは部下を通して
       国全体に広がり敵にも伝わり勝敗を決するようになる。
       勝敗の道を知る者は将に畏れを抱かせ権威を保つか、
   侮れを抱かせるかが、戦勝、戦敗の別れ道である。

(3)古典漢文
       尉繚子
   夫民無両畏也。
 
   畏我侮敵、

   畏敵侮我。

   見侮者敗、立威者勝。

   凡将能其道者、

   吏畏其将也。

   吏畏其将者、 民畏其吏也。

   民畏其吏者、 敵畏其民也。

   是故知勝敗之道者、 必先知畏侮之権。

(4) 陰陽(易経)思考法  

       統率と陰陽解法
  尉繚子ー現代的に言えばリーダーシップの条件と言い替えることができる。
  尉繚子は部下に先ず畏怖されなければ統率することはできないことを全面
 に出している。この一面だけでは又統率できない。(次回に記す)
 陰があり陽(愛、尊敬)がなければ統率し目的を達成することはできない。
  現代の経営者、弁護士である中坊公平氏が不良債権回収の業の責任者と
 して携わっている時の仕事を指揮する術(すべ)を次のように述べている。
       「正面の理、側面の情、背面の恐怖」
  尉繚子の将師の条件の畏れ、恐怖を部下に抱かせる事を実践している。
  部下に後押しとしてトップとしての恐怖感を植え付けなければ相手を威圧
  して貸し付けた資金を回収することができないと断言している。
  但し、上司は部下から恐れられるだけでなく理路整然とした論理を教えて
  人間の道理を話し感情と人間性を訴えて部下から尊敬されるようになって
  こそ上司の方針が部下に守られ推進することができるようになる。
  その部分が正面の理、 側面の情であろう。
  トップに対しての恐怖感(陰)と仕事を離れてのトップへの尊敬、情の度合
 (陽)との陰陽差が大きいほど統率力が発揮されることになる。

 中坊公平氏は70歳を期に不良債権回収の高実績を残し惜しまれながら
 この責任者を退任した。

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************ 世渡りと生きがい〔素読の行)vol 40*********
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  統率力−畏怖される、尊敬される陰陽差
   [ 1 ]  古典言行録
   [ 2 ]  漢文読み下し文
   [ 3 ]  古典漢文
   [ 4 ]  陰陽(易経)思考法
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(1)古典言行録
    虎穴(こけつ)に 入(はい)らずんば、虎子(こじ)を得ず。
            不入 虎穴、不得虎子。
  虎の穴に入らなければ 虎の子を捕らえることはできない。
     すなわち、危険を犯さなければ成功することはできない。
     西域を支配した漢の班超(はんちょう)の言葉

(2)古典読み下し文

 尉繚子(うつりょうし) ー 将師の条件
  
  夫(そ)れ其(そ)の心を愛悦(あいえつ)せざる者は、
     
  我が用たらざるなり。

  其の心を厳畏(げんい)せざる者は、

  我が挙(きょ)たらざるなり。
      
  愛は下の順(したが)うに在り、
      
  威(い)は上に立つるに在り。

  愛するが故(ゆえ)に二(に)ならず。

  威(い)あるが故(ゆえ)に犯(おか)さず。

  故(ゆえ)に善(よ)く将(しょう)たる者は愛と威とのみ。

簡訳:上司を尊敬している部下でなければ用を 為さない 。
 上司を恐れている部下でなければ命令に従わせることはできない。
 部下を従わせるのは愛であり、 地位を保つのは威厳である。
 威と愛が合わさって部下を統率することができる。
 将師、統率の条件は威厳と愛である。

(3)古典漢文
       尉繚子
   夫不愛悦其心者、不我用也。

   不厳畏其心者、不我挙也。

   愛在下順、

   威在上立。

   愛故不二。

   威故不犯。

   故善将者、愛与威而已。

(4) 陰陽(易経)思考法
    統率- 畏怖される、尊敬される陰陽差
企業における役職者、学校の教師、教授、病院の先生、政治家、あらゆる
職業において優しい、物分かりがよい、親切な、親しみのある、話、相談に
のってくれるだけの上司、リーダーであっては必ず馬鹿にされる。

尉繚子の「愛与威而已」の言葉のように上に行けばいくほど威厳が全面に出 
て陰(威厳、畏怖、周囲から恐れられる憤意気)と陽(愛、尊敬、周囲から慕わ
れる)との陰陽差が大きいほど統率力が発揮される。
現代、 学校の先生の指導力、姿勢が悪く問われ、生徒の多くの問題を抱えて
 いる根本原因は先生が生徒に威厳、恐怖感、畏怖させる力が無いところから
 起こっている。  先生に威厳と恐れさせる力があれば尊敬も生まれ、慕われ
 統率力も生まれ、すべての問題は半減するはずである。生徒間のいじめ問
題も恐ろしく且つ頼りがいのある先生がいれば解決方向に 向かって行く。
そのためには国家も個人もどんな攻撃を受けても、動じない精神力と防衛力
を持つことが必要がありすべての人が心身の文武両道を鍛える必要がある。

日本の総理大臣に小泉総理大臣が船出した。近来にない陰性な人が出現
したことになる。
改革断行内閣と自ら発言しているが現代の不景気(陰)の時機にこの小泉
総理(陰)が 誕生したことにより陰と陰とにより同性は相反発しあい大きな
抵抗を受けながら組織、仕組みの破壊が始まるようになっていく。
  小泉総理の今までの1匹狼的発言により周囲、官僚組織、他の政治家から
  何をするのかと畏怖されている。その畏怖が威厳となり日本国民にも伝染し
 て期待感が生まれその後押しにより古い体質組織の大破壊を起こすであろ
 う。 破壊を起こし、建設、調整は次期政権が担って行くように思う。
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