世渡りと生きがいNO51〜NO55

      


目次 D


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************世渡りと生きがい〔素読の行)vol 51**********
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   [ 1 ]  古典言行録-富貴不帰故郷
   [ 2 ]  漢文読み下し文-易経
   [ 3 ]  古典漢文
   [ 4 ]  陰陽(易経)思考法-映画「雨上がる」の陰陽
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(1)古典言行録
    富貴(ふうき)にして故郷(こきょう)に帰(かえ)らざるは、
        繍(しゅう)を衣(き)て夜(よる)行(ゆ)くが如(ごと)きのみ。
      富貴不帰故郷、如衣繍夜行耳。   (項羽曰)

  訳: 富貴な地位になりながら故郷に帰らないのは
     繍-(縫い取りのあるきれいな着物)を着て夜歩くようなものだ。

(2)古典読み下し文

  易(えき)に曰(いわ)く、
 天道(てんどう)は 盈(みつる)を
 虧(か)きて 謙(けん)に益(えき)し、
 地道(ちどう)は盈(みつる)を
 變(へん)じて謙(けん)に流れ、
 鬼神(きしん)は盈(みつる)を
 害(がい)して謙(けん)に福(さいわい)し、
 人道(じんどう)は盈(みつる)を
 惡(にく)みて謙(けん)を好(この)む。
 謙(けん)は尊(とおと)くして 光る。
     語釈:  盈-いっぱいになる。満ち足りる。
           謙-謙虚。 謙遜。

 (3)古典漢文
        易曰
    天道虧盈而益謙。
    地道變盈而流謙。
    鬼神害盈而福謙。
    人道惡盈而好謙。
    謙尊而光。

  (4) 陰陽(易経)思考法
     映画「雨上がる」の陰陽
  先日テレビで黒沢明監督の遺脚本映画「雨上がる」 を上映されて見た
     方もあると思いますがこの映画の陰陽の観点を記して見たいと思い
     ます。


 この映画の主人公、浪人伊兵衛剣術の腕前は桁外れに強い、その強さは
  どんな強い相手でも簡単に打ち負かせてしまうその後痛め付けた相手に
  同情し、痛いですか、大丈夫ですかと声をかける、相手も簡単にやられ
て同情、親切な言葉をかけられ、益々打ちひしがれた気持ちになっていく。
  この主人公の並外れた実力を持ちながら性格的に謙遜柔和,試合に勝つた
  びに相手に親切同情な言葉をかけて本気になって照れたり、済まなかった
  と詫びる態度が逆に反感を買ったりするようになって行く。


殿様を打ち負かせて池にほうり込んだ時も同じような言葉をかけ、馬鹿に
されているような気持ちになったと述懐している、どこでも指南役を長く勤めら
れなかったのもあの性格、親切すぎる、柔和過ぎる、同情過ぎるが禍して
いると述べている。
良い性格も優し過ぎる、真面目過ぎるは周囲から悪く感じ取られてしまう。
 
ラストシーンは剣術指南役は断られ去って行く伊兵衛と妻。(陰)
もう1シーンは殿様は伊兵衛を指南役に呼び戻すべきと決断され追いか
 ける 殿様一行(陽)
妻役の宮崎美子の心の内のセリフとして
こんな立派な実力を持ちながら出世することができない何という巡りあわせ

でしょう、 でもこのままでようございますわ、他人を押しのけず、他人の席を

奪わず周囲に喜びや夢を与えて行く生き方、このままの貴方は立派ですわ」

伊兵衛と妻は山上から次に行く大きな城下町見下ろしながら次の幸せ求め
て去って行く。 (終りの垂れ幕が流れる。) 主人公の陰陽が同時に進行して

 いく。 その陰陽の差が大きいほど観客に訴えるものがあり名画となる。
 この日本アカデミー受賞作品は皆さんにはどのように感じ取れたでしょうか。


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************世渡りと生きがい〔素読の行)vol 52*******
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   [ 1 ]  古典言行録-久受尊名不詳
   [ 2 ]  漢文読み下し文-易経
   [ 3 ]  古典漢文
   [ 4 ]  陰陽(易経)思考法-京都議定書
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(1)古典言行録
   久しく尊名(そんめい)を受くるは、不祥(ふしょう)なり。
         久受尊名、不祥。   (范蠡-はんれい)
   尊名:立派な評判     不祥:不運、禍

(2)古典読み下し文
   易 経
  飾(しょく)を致(いた)して然(しか)る後(のち)に亨(とお)れば

 則(すなわ)ち盡(つ)く。

 故(ゆえ)に之(これ)を受(う)くるに、

 剥(はく)を以(もっ)てす。

 剥(はく)とは剥(つ)くるなり。

簡訳:礼儀、物事により外形を飾り整えて うまく行われて盛んに伸びて
  行く、だが何処までも成長して行くとき何処かで尽きてしまう時期、
    起点がある。飾りに行き過ぎる時うわべだけの自己中心的行動に走り
    精神的誠実さに欠け、贅沢過ぎ、高慢さが表面に出てくるのである。
    剥(はく)とは物が剥ぎ取られて盡(つ)きてしまう。
    ついに財政窮乏に陥り衰亡するのである。

(3)古典漢文
  易経
 
 致飾然後亨 則盡矣。
   
 故受之 以剥。

 剥者剥也。


(4) 陰陽(易経)思考法
   京都議定書ー地球温暖化防止条約

 二酸化炭素を削減に向けて世界的に動き出している。今後の取り組み方を
 決定したことが京都議定書であるがアメリカがその取り組み方に脱退を唱
え2002年条約発効が危ぶまれている。
世界の人口が20世紀に飛躍的に伸び60億人と推定され経済的に物質的に
豊富になり地球温暖化が進み地球に生存する2000万種の生物が毎年死に絶
えて地球の存続も脅かす状態が危惧されている今これ以上大自然を破棄す
 ることは人間の生存も地球から死に絶えることにつながってしまう。

 20世紀に成長の限界が見え、易経の言葉では飾りを致して盡きた状態になっ
ている。 人道では成長はまだ尽きないと考えるであろうが、天道では盡きる
状態に入っている。 この天道において成長ストップという兆しが真実ならば
アメリカ抜きで京都議定書が発効するようであればアメリカの今後はこれ
を期に天道 はアメリカを見捨て世界の動きはアメリカの影響を受けない方向
に動きだしアメリカは衰退の方向に突き進む方向転換の期となるであろう。

 人道においては自国の利益だけを中心に経済成長をめざすアメリカを他
 国が友好国から排除する動きが出て世界の平和をリードする先進国から
 外されるであろう。
 日本は批准か、アメリカに追随か決断を先延ばしにしているが京都議定書
の議長国がアメリカに追随するような事態になれば世界からの非難の的と
なるであろう。
 21世紀はエントロピー大の先進国からエントロピー小の国が地球代表国
になっていく時代である。
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************世渡りと生きがい〔素読の行)vol 53********
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   [ 1 ]  古典言行録-貧賎之交不可忘
   [ 2 ]  漢文読み下し文-三事忠告/為政三部書
   [ 3 ]  古典漢文
   [ 4 ]  陰陽(易経)思考法-過ぎ去った凧糸
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(1)古典言行録


   貧賎(ひんせん)の交(まじ)わりは忘(わす)る可(べ)からず。
   糟糠(そうこう)の妻(つま)は堂(どう)より下(くだ)さず。
     貧賎之交不可忘。糟糠之妻不下堂。
   簡訳:貧しかった時の交友を忘れてはならない、
      糟糠の妻、苦労を共にしてきた妻と別れることはできない。
  〇 糟糠−糟(かす)や糠(ぬか)により作られた粗末な食物

(2)古典読み下し文


      三事忠告(為政三部書)
  権勢(けんせい)を挟(さしはさん)んで
    惟(た)だ己私(こし)を殖(ふ)やし

  或(ある)いは巧(たく)みに子銭(しせん)を規(はか)り、
   或いは塩鉄(えんてつ)を盗行(とうこう)し

 或いは麹蘖(きくげつ)に荒耽(こうたん)し
   或いは親族(しんぞく)を私用(しよう)し、

 或いは田猟(でんりょう)時(じ)ならず、
   或いは宴遊(えんゆう)度(ど)なく、

 或いは潜(せん)に有司(ゆうじ)の事(こと)に托(たく)し
   或いは妄(もう)に不急(ふきゅう)の工(こう)を興(おこ)し、

   或いは官弟(かんてい)を曠(むな)しうして居(お)らず、
   或いは家人(かじん)を 縦(ほしいまま)にして検(けん)せず、

 この数者(すうしゃ)に於(お)いて一(いち)あるも
   皆風憲(ふうけん)の累(るい)と為(な)すに足(た)る。

 ** 簡訳**
     政治、役人に携わる者の行動指針を記した書、作者:張 養浩
     三事忠告: 牧民忠告(地方行政)、
                 風憲忠告(法務警察)、
                 廟堂(びょうどう)忠告(内閣大臣)
     安岡正篤氏によって現代に伝えられる。
   己私 :私益
    塩鉄を盗行し:国専売の塩鉄を盗み密売する。
    田猟時ならず:狩猟を時期を考えずに行い、田畑を荒らす。
    麹蘖 : 麹(こうじ)のお酒      荒耽:飲みふけり
    宴遊度なく:宴会、遊びに限度無く、
   

   潜に:ひそかに、こっそりと
    托し:かこつけて、まかせて
    妄に: みだりに、 でたらめに
    官第: 官の次第、仕事       曠しう:おろそかにする
    風憲:風紀を取り締まる規則、役人
    累:わずらい、 わざわい。
    足る: 十分に足りる。(満足)

(3)古典漢文
     三事忠告(為政三部書)
   挟 権勢、惟 殖己私、
   或巧 規子銭、或 盗行 塩鉄、
   或 荒耽 麹蘖、
   或 私用 親族、
   或 田猟 不時、
   或 宴遊 無度 、
   或 潜 托 有司之事、
   或 妄 興 不急之工、
   或 曠 官弟 而弗居、
   或 縦 家人 而不検、
   斯 於 数者 而有一焉。
   皆 足 為風憲之累。

 (4) 陰陽(易経)思考法
  過ぎ去ったタコ糸
東洋と西洋の考え.思想 習慣の違いがあり宗教.人種の違いがありその 
違いが進歩.発展の基となるがその前にまず混乱.争いがある.この争いは.
我が考えに固執し他を受けつけないことから起る。
権力と権力のぶっかりあい.陰場思考としては陽と陽との反発しあい、
西洋の倫理は 人道、愛 を厳守し過ぎて人間道徳を踏みはずしてくる.
その人道上という表現の裏には、利権が渦巻いている。
しかし現在の世界情勢をみて、まだ凧の糸がつながっている.ロシヤが陰と
なり凧糸をしっかり掴まえている.その為凧であるアメリカ(陽)は勝手気
ままな行動はとれない.今後この凧糸が完全に切れた時その後はどうなるか.

凧は飛んで行ってしまう.凧糸が切れた凧はデタラメな行動をとることになる。

その後両大国は衰亡に向かっていく.
このように陰陽の国が反発、ぶつかり合っているときは平衡が保たれている。
この世界のあらゆる問題において、西洋倫理は個を重要視.経済競争にお
いてN0.1企業が勝を制するまで勝敗を競っていき世界 NO1以外はすべて
極貧にあえぐ地獄絵図となる。人道、平和を唱えて殺戮を繰返す図式である。
平和主義過ぎて、人道主義過ぎて戦争を行ない、人を愛せよと唱えて不倫を
実践、西洋の倫理は今や行き過ぎにストツプできなくなってきている。

1990年までの日本の企業のように90%以上の中小企業が活躍し大企業と競争
し又協力しあっていた。
日本この狭い小さな島国、大国からみれば、資源が何もない陰の国この小国
が今やどの国にも借金はないどころか世界のあらゆる国々に援助している。
しかし現今不景気に甘んじている。個人貯蓄は裕福でありながら国は貧を
演じている.景気の良い国々は貧な国々にささえられながら福を興じている。

すべての国々が金持国とは成り得ない、西洋倫理には陰のささえがあるか
ら自らが幸福であることを知ろうとしない。其の陽の国に新たな西洋倫理で
中国、韓国が加わろうとしている、経済的、政治的に陽を演じようとしている、

人口的巨大国が陽の立場に成ったときその対比する多くの民の陰の国が生
じてくるであろう。

ここで易経的な考え方で問題となるのは中国、韓国が日本の60年前の言動
を持ち出して牽制し過ぎることである。
教科書問題 靖国神社参拝、他などで内政干渉してくることは終了する時期
がきているように思う。
現代の歴史においても政治的党派の違いで歴史論が全く逆な見方ができるよ
うに国が違い、習慣、宗教、人種の違いでいくら議論してもまとまらない。
日本とアメリカが原子爆弾のことについて、ロシアに60万人の強制労働に
についてはっきり日本的認識論を教科書に掲載せよと詰め寄るようなもの
である。日本はそのような切れたタコ糸を持ち出すことをせず現在、未来を
視点においている。


***易経的に考えると過ぎる考えは基に反(かえ)る。***
アジア近隣諸国が過去の歴史を日本に牽制し過ぎると今60年還暦を向かえ
て強い日本に変身時期にきているので日本の傀儡政権を呼び戻すことにな
ってしまう。 現在、未来を視点におき過去は自国の教訓だけとすべき時期に
きている。 過去の切れたタコ糸を持ち出す考えだと表面上だけの陽の国に
 なり真実の豊かな国には成り切れないであろう。


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************世渡りと生きがい〔素読の行)vol 54*******
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   [ 1 ]  古典言行録-人主惟一心、
   [ 2 ]  漢文読み下し文-韓非子
   [ 3 ]  古典漢文
   [ 4 ]  陰陽(易経)思考法-再び革の卦
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(1)古典言行録
  人主は惟一心にして、これを攻むる者は衆(おお)し。
      人主惟一心、攻之者衆。

簡訳:君主の心は一つだが、その君主にへつらう者、ねらう者、
   いろいろ な手段で攻むる者は多い。

(2)古典読み下し文
    韓非子
   凡(およ)そ人の古(いにしえ)を変え難(がた)き者は

  民の安きを易(か)うるを憚(はばか)るなり。

   それ古(いにしえ)を変(か)えざる者は

   乱(らん)の迹(あと)を襲(つ)ぎ

   民(たみ)の心(こころ)に適(かな)う者は、
 
   姦(かん)の行いを恣(ほしいまま)にせしむるなり。 
 
語釈:  襲ぎ:つぐ。受け継ぐ 。世襲
   姦:心がねじけて、正しくない。 いつわる。

(3)古典漢文
     韓非子
  凡人難変古者
   憚易民之安也。
   夫不変古者
   襲乱之迹
   適民心者、
  恣姦之行。

(4) 陰陽(易経)思考法
 
  *** 再度  革の卦***
革を行う者は極陰の人間でなければならない、陰とは冷酷無比、一気
呵成に行動し、顔も神経質な細おもて、逆三角形である。
冷酷無比で上にも下にも刃がある両刃斧のような切れ味が望ましい。
 易経の革とは上に澤(水)があり、下に火があり互いに消し合う象である。
 陰が二つ同居して争う象、言い換えれば矛盾をどのように対処するか、
 火の理性、知恵と決断をもって人々を平和と喜びの道に招じ入れることで
ある。  日本の歴史においても革の人織田信長は肖像画を見ると細面、
 豊臣秀吉も細面であり、 徳川家康はまる顔、陽の顔である。
 織田信長は革の人-破壊者でありー豊臣秀吉は破壊と建設の人すなわち
易経でいう鼎(てい)の人である。
  徳川家康は建設、維持の人ー鼎だけの人となる。
現在日本では小泉純一郎首相が革の人として立ち上がっているこれは完全
なる陰の人であり、この首相の革とは非常に損な役割である。
日本の100年以上の政界組織、経済組織、官僚組織、60年の憲法、外交の
慣例をすべて破壊する役割りである、破壊が80%ほど達成したときー鼎ーの人
から追い出され、続いて維持だけの人に取って代わるのである。  近隣諸国
へのあいまい外交の慣例もぶちこわし、国外からも忌み嫌われる行動が
求めれられる。 憲法も根底から壊し60年前の態勢に反って行く行動
がとられる。  非暴力過ぎる国は暴力を引き寄せ敗れる事態を避けることが
目的である。 この内閣の政治戦略は伝統、慣例、すべての組織の大破壊
である。 構造改革というオブラート的語におき変えているが 恨まれ、憎まれ
ても断行していく、大破壊の手腕、行動力が求められる、その成果は建設の主
役が登場したとき表面化してくるのである。

その時代になっても今の内閣が褒めたたえられることはなく100年後歴史が
  輝きやっと正当な評価を下されるであろう。
  革の人とはいつの時代も即評価されなく、四方八方から非難される損な役
  割りなのである。  この日本の大破壊が日本だけでなく世界の礎の基になっ
 たと歴史が評価を証明するであろう。
 公家タイプのすまし顔、へらへら笑って海外に媚を売る丸顔、角顔の八方美
 
人にはできない所業である。  外交戦略、国内の経済基盤、官僚組織、政界
組織、教育組織、憲法の破壊が大きいほど次の鼎(建設)が速やかに行わ
れるのである。

 その手初めが近隣諸国の批判を完全無視し靖国神社参拝で今までの精神、
 慣例、常識の破壊を行い海外に告知して大改革、大破壊の真剣さを知ら
 しめていくであろう。 日本の縦の先祖代々を重んじる精神を近隣諸国の
  批判に屈してやめるような弱気では大破壊は成就しない、近隣諸国への
 摩擦軋轢を起こして日本の大改革が国境無き大破壊になってこそ真実の
  ー革ーとなるのである。
  大災害があった都市が2、3年後には近代的建物が建設され大都市が生ま
 れるように今求められているのは残骸無き精神及び組織大破壊であろう。

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************世渡りと生きがい〔素読の行)vol 55*****
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   [ 1 ]  古典言行録-口に蜜(みつ)有り
   [ 2 ]  漢文読み下し文-易経(困、井、革)
   [ 3 ]  古典漢文
   [ 4 ]  陰陽(易経)思考法-易経(升、困、井、革、鼎)
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(1)古典言行録


    口に蜜(みつ)有り、腹に剣(けん)有り。
           口有蜜、腹有剣。
   簡訳:言う言葉は蜜のように甘いが腹は良からぬ謀(はかりごと)が
   隠されている。

(2)古典読み下し文


     易 経 (困、井、革)


   上(うえ)に困(くるし)む者(もの)は
  

   必(かなら)ず下(した)に反(かえ)る、
   

    故(ゆえ)に之(これ)を受(う)くるに
  

    井(せい)を以(もっ)てす。

     井道(せいどう)は革(あらた)めざる可(べ)からず、


     故(ゆえ)に之(これ)を受(う)くるに
    

    革(かく)を以(もっ)てす。



(3)古典漢文

     易経


   困乎上者。必反下。
     

     故受之以井。

      井道不可不革。
     

     故受之以革。



(4) 陰陽(易経)思考法
 
 *** 易経- 升、困、井、革、鼎***
 易経では升(しょう)−上へ升(のぼ)って行くの後に困(こん)を次
 に井(せい)続いて革(かく)の卦が置かれている。
 人生万般(ばんぱん)又経済の流れにおいて必ず升、困、井、革、鼎と進み
 循環することを卦で示している。  勢いに任せて上へ上へと昇って限りな
 く昇ろうとする時必ず困窮する事態が起こる。進むだけを知って止まる
 ことを知らなければ必ず困難な 状態が待っている。

 上に昇り過ぎて苦しむものは必ず下に落ち反(かえ)り井となる。 井とは
  井戸である、昇っていたものが困難に出会う時、必ず井戸のように低い、
 低い場所に自らを引き下げ地下よりわき出る水の恩恵を受けるのである。
 井戸は低いが故に土が砂が石が、塵芥が落ちてきて、汚れてくるのである。

  従い底からすべて掘り出して清潔にする必要が出てくるその卦が革である。

  井の卦にある時きれいな水であれば、釣瓶(つるべ)で飲み水として大いに
 利用され、他に恩恵を与えるが汚くなると外部から石を投げられたり塵芥を
 入れられたりするのである。
  次に井戸替えをするか、井戸の底から石、塵芥を取り除かなければならない。

  この清掃、革が完全に行われることが次の鼎の要になってくる。
  この循環は国家においても、人生においても同様のことが起こってくる。

 易経全体に流れる原則はー過ぎては反(かえ)ることである。
  この章で何回か記しているー陰極まれば陽生じ、陽極まれば陰生ずる。
  なぜこのような事が起こるかは顕在意識と潜在意識の働きがそのような働き
  に導いていると言える。

 簡単に言えば表面の意識である顕在意識が他人を束縛し過ぎた時、他人に
 過ぎた言動があった時その他人への過ぎた束縛、言動は自分自身の潜在意
 識への苦渋、苦痛となって自らの精神、身体を蝕むのである。
  この原則は個人であれその集団である国家でも同じように生じ自らの国家の
 精神脆弱化を及ぼし、実態も国力を衰退化していくのである。
 (頭脳と易経との関係についてはいずれこの章で掲載する)

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