世渡りと生きがい NO6〜NO10
         
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****** 世渡りと生きがい〔素読の行) VOL-6*******
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(1) はじめに
(2)現代日本の陰陽
(3) 古典漢文ーー>マキャベリー思想とは  
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(1)はじめに
今回は日本、中国古典でなく、西洋的考え方の中のマキャべりーについて
記していきたいと思います。 マキャベリーはイタリアのニッコロ、
マキャベリー(1469〜1527)という人名である。
この著書は君主論及び政略論は本人が亡くなってからしばらく出版できな
かった。なぜならあまりにも厳しい言葉が書かれていたからである。 

しかし、現在統率力、指導力を発揮するために、この書の教えが会社経
営、政治にはこの内容がソフトウエアーの役目をしている。
日本の政治や経済界が西洋のこのマキャベリズムに牛耳られていること
を知ることも、人生観として知っておく必要があると感じ、今回のみ敢え
てこのテーマを遂行します。

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(2)現代日本の陰陽
非暴力〔陰)と暴力〔陽)−非暴力を信条としていたインドのガンジー
首相アメリカのキング牧師は暗殺され亡くなっている。
クウエート〔非暴力)はイラク(暴力)に攻められた。
非暴力〔喧嘩放棄)をしている者は、いじめを受け暴力を受け自殺に追い
詰められる。 陰〔非暴力)過ぎると陽〔暴力)を引き寄せることになる。

現代日本の大企業の経営者は性善的思想の考えを持っている者が多い。
大手デパートが銀行には多くの金を借りてあげて多額を儲けさせた従い
借金を棒引きにして欲しいと堂々と記者の前で公表した社長が最近話題
になった。

あまりにも、常軌を逸した言動は性善思想の極みが他人に責任を転嫁する
行い、甘えが出るのである。 他人は自分の思う通りにはならないと性悪
的考えがあればこんな言動は起こさない。
日本の大企業の自動車会社、銀行、証券会社、建設会社軒並みに外国の企
業に吸収合併されつつある。性善的日本経営が性悪的西洋経営企業に吸収
されてしまっている。
  
松下電器の創業者の松下幸之助さんが生前に自分の地方工場に視察に行く
と決められたコースだけでなく全く予期せぬ個所を検査してくるのでその
工場の幹部はあらゆる個所を改善整理を強いられたと記憶している。
 
この松下社長の考え方は表面は信用する素振り〔陰)は見せるが裏では
疑って〔陽)チエックを怠り無く行っていたのであろう。
〔陰―性善) (陽ー性悪)

日本の場合は90%以上の中小企業が日本経済を担っているのであり、
その経営方法に性善説的管理が重要視されるが大会社となると性悪的
統率力を兼ねて行くことが重要になってくる。
  
最近フランスの会社に吸収合併された自動車会社にしても日本の経営者
だったTOPが全員解雇されるようになって始めて利益を計上されるよ
うになっていくのであろう。この西洋的経営のマキャべりー的考え方を
記していきます。
この考えは今までの日本的考え方からすると憤慨、反論は心の内から湧
き上がって来ると思います。
  
しかし陰過ぎると陽を引付ける考えは人間の習性ですから敵を知るとい
う冷静な眼で俯瞰視していただきたいと思います。



(3)マキャベリー思想
 
1.友を洗う。
人間は倒産したり失敗すると今まで親友だと思った者も去って行く。
知人、友人、親戚 今まで集まってきたのは自らの人間、性格、
人徳のためでなく、単なる周囲は得、利を求めて集まっていたので
あると知ることである。
   
ある大会社の部長を勤めていた者が、停年退職して新年を迎えて今
まで1000通以上の年賀状が30通しか来なかったことを嘆いて
いたが、本人個人の実力は辞めた時解るのである。 
会社の役職が自分の実力だと誤解している人が非常に多いことを知
らなければならない。

ここであらゆる人間は 「落ちぶれた友人は捨てよ」と思っている
こと知るべきである。親友であっても身内であっても同じである。
心の底を鏡に写すことができればこの言葉の真実が証明できる。
  
  「君主〔社長)は人を捨てることを知れ」
  「君主は残酷と言う汚名を気にかけるべきではない」

2.君主は良い人と思われるより、恐れられる方が安全である。
 管理する人数が多くなるとに統率力が必要になってくる。7,8
 人の人数ならニコニコとしていて良い人と思われているだけでも
 管理者は勤まるが多人数となると恐れられることが必要になって
 くる。 
 
「権力を維持するためには、信義に叛き、慈悲心に反し、人間性に逆らい
 宗教に違反した行為をしばしばせざるをえない。」 
 
「良い人、愛される上司は後々憎まれるが、恐れられている上司は憎まれ
 ることはない。」
「経験によれば、信義のことなど、眼中になく狡猾によって人々の頭脳を
 欺くことを知っていた君主こそ、偉業を為している。」

3.君主(社長)の実力は交友、側近を観察せよ。
その人がどのような才覚かを掴むためには、その周囲を観察すれば解って
くる。その家族、友人、知己を見ればその人の人格の拡大鏡である。 

4.君主は策略と恩恵で部下を掴め。
 「君主はアメとムチを使い分けよ」


5.目先の利を求めている者を欺け
 「人間というものは単純で目先の利によって左右されるので人間を欺こう
 とする人は欺かれる人間を常に見出すことが出来る」

騙される人間は儲けようと欲を出している人である、欲を出し過ぎなければ
騙されることはない。 

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この思想を学習すると言動に常識と離れたことになるので表面は性善的言動
が無難である。 裏面で、隠れて性悪思想を駆使することを軽くお勧めする 

参考資料: マキャベリー。世界の名著〔中央公論社)
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VOL−4講座で下記古典を掲載した。

自責厳者。責人亦厳。恕人寛者。自恕亦寛。皆不免於一偏。
    
    君子則躬自厚而薄責於人    〔言志四録)
簡約  
自分を性善説で厳しくしている者は、人を責めることも厳しい自ら寛なる
人は他人に対しても寛容である、真の人格者は自分には厚く責めて、他人
には寛容であるだが普通人は自分に対して甘くなり他人に対して厳しく注
意をしたりするようになる性善説だけを、学習しているとこの他人に厳し
くする見方が普通になってくる。

性悪説ー人間は怠け者で本質は悪であること、人の見ていないところで楽な
こと、得になることだけを選択するのである。ー肝に命じて他人を信用でき
るようになる為に策を練り、自分の思う通りに行動させる必要がある。

性善説だけを学習をすれば、他人を信用し過ぎ悪を引き寄せる隙をつくる
こととなる電車の中で携帯電話は使用禁止と、車内放送しても楽なこと得
なことをする〔性悪)ゴミは山に捨てずに持ちかえろうと知っていても楽
なこと得なことをするのである
常識は知っていても山はゴミがあふれ、電車内は電話ボックス同様になる
のである。それを見て怒る人はいつも他の常識、規則を平然と破っている
人である。

戦争を起こす人は平和主義を追及しすぎる人がキッカケをつくるのである。
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******世渡りと生きがい〔素読の行) VOL-7 ********
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<<<<<<<< 目   次 >>>>>>>>>>>>>>>>>
(1)  人間の二面性
(2) 古典の読み下し
(3) 古典漢文
(4) 素読の効用  
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(1)人間の二面性
前回は自らを主張し、他を無視する考え方〔性悪説)を記しました。今回
は元に戻して、性善説を記しますが人間には顕在意識は性悪説を主張し、
潜在意識は性善説を好む二面性があります。

普通は自己主張(性悪説ー自善説)が前面に出てきます。そして生きがい
は他人を思いやり、他人が喜ぶことが中心となります。(性善説ー他善説)
この矛盾する二面性を周囲にどのように表現するか、其の方法を学習し、
課題がこの講座の目的となります。

性悪説の、荀子、韓非子、管子、マキャベリーの内容を詳しく知る人は少
ないと思います。 性善説の論語、孟子は皆知っています。
現代、日本人は性善説を主張し西洋の常識、性悪説に経済界、政治界も牛
じられています。沖縄サミット前にアメリカのサマーズ長官のゼロ金利政
策続けるべきという半強制的に言い渡され、世界に発信されました。 

この言動は政治も経済もアメリカの傀儡政権を許している、アメリカの自
己主張、性悪説の極みです。アメリカ、ヨーロッパの金融専門筋はゼロ金
利の日本から借りて10%の利息の国へ移動するだけで遊んで金儲けをし
ています。

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(2)古典読み下し

ここをクリック素読音声(1)
1.福は徼(もと)むべからず。喜神〔きしん)を養い以(もっ)て福を
  
  招くの本(もと)を為(な)さんのみ。

  禍(わざわい)は避(さ)くべからず。 

  殺気を去って以て禍に遠ざかるの方(ほう)を為さんのみ。


2.地の穢(けが)れたる者は多く物を生じ、水の清(す)める者は

  常に魚(うお)なし。

  故に君子は当(まさ)に垢(こう)を含み汚(お)を納(い)
  
  るるの量を存すべし。

  潔(けつ)を好み、独り行ふの操(みさお)

  を持(じ)す可(べ)からず。
 

3.人の小過(しょうか)を責めず、人の陰私(いんし)を発(あば)

  かず、人の旧悪(きゅうあく)を念(おも)はず、三者もって徳

  を養ふべく、亦た以て害に遠ざかるべし。

   陰私ー秘密      小過ー小さなあやまち

ここをクリック素読音声(2)
4.人は月を看(み)るに、皆、 徒(いたずら)に看るなり。

   須(すべか)らく此(ここ)に於て宇宙 窮(きわ)まり

   無きの概(がい)を想うべし。

 
5.諺に云う禍は下(しも)より起こると。余(よ)謂(い)う

   是れ国を亡ぼすの言なり。人主(じんしゅ)をして誤りて

   之(これ)を信ぜしむ可(べ)からずと

   凡(およ)そ禍は皆 上(かみ)よりして起こる。

   其の下(しも)より出(い)ずる者といえども、

   而も亦必ず致す所有り。

  成湯之誥(せいとうのこう)に曰(いわ)く、

  爾(なんじ)万方(まんぽう)の

  罪あるは予(わ)れ一人に在りと。

  人主たる者は、当(まさ)に

  この言(げん)を監(かんが)みるべし。

   成湯之誥ー殷の湯王の訓告の言葉 
   爾万方ー全国すべての人々   監ー理想、見本、



(3)古典 漢文
  古典読み下しを20回ほど読めば、下記漢文は読めるようになるはず
  です。 意味も回数を重ねるごとに伝わってきます。

>素読音声を聞くことができます。是非素読参考にしたい方
 はクリックしてください。
  ここをクリック素読音声(1)
     ここをクリック素読音声(2)


   (1)福不可徼。養喜神以為召福之本而已 。禍不可避

      去殺機以為遠禍之方而已。     采根譚

  
   (2)地之穢者多生物。水之清者常無魚。故君子当存含垢納
   
      汚之量。 不可持好潔独行之操。  采根譚

   

   (3)不責人小過。不発人陰私。不念人旧悪。三者可以養徳。

      亦可以遠害。           采根譚

   
   (4) 人看月、皆徒看也。須於此想宇宙無窮之概

                       言志録

   (5)諺云、禍自下起。余謂是亡国之言也。不可使人主誤信之。

      凡禍皆自上而起。  雖 其出於下者、而亦必有所致。

      成湯之誥曰、爾万方有罪、 在予一人為人主者、

      当監此言。            言志録


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(4)素読の効用

長生きの人が多い、,落語家、寺の僧職はなぜ長生きなのであろうか

八十八ヶ所寺廻りの住職の話を聞いていると皆大きな声で、90歳

以上なのにどっしりと落ちついた良い声をしている。

また姿勢が良い。そして話す内容が論語、老子、また諺を用いて、

解りやすく訥々と弁じている。落語家は80歳以上の人でも

大きな声で、良い声である。最近107歳で金さんがなくなったが、

亡くなるまでテレビに出てくる二人は大きな声と、笑いも大きかっ

たことを考えると長生きの秘訣が見えてくる。   

長生き、健康の条件とは

1.大きな声と遠くまでとどく声を持つこと。

2.姿勢が良いこと。腰骨をまっすぐ立てている。

3.笑いが多いこと。

長生きの条件は、理解できるがこの3つを満足させるためにはどうしたら

良いか、何をすれば、良いだろうか。

この長生きの方法こそ素読なのである。日本,中国古典を朗々と声を出して

唱和するのである。  唱和するときは姿勢を正し、素読するのである。

同じ文章を100回素読することは、声帯を動かし頭脳、内臓に振動を与え

身体内の全細胞に活力を与え、健康維持に好影響を与えるのである。

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******  世渡りと生きがい〔素読の行)VOL-8 *******
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(1)  はじめに
(2) 古典の読み下し
(3) 古典漢文
(4) 素読の効用   
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(1)はじめに
強制的早く覚えたものは早く忘れてしまう。だが何回も素読により刻印され
た語句は忘れない。口が眼が覚えている但し言って見よといわれても答える
ことができない。だが漢文を見るとスラスラと口から発声している。これは
行動にも表現される道徳的行動を意識せずにサラリと実行している。身体に
身についた何気ない行動からその人の本心が表現されている。  

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〔2)古典読み下し

    ここをクリック素読音声
 
1.子曰く。已 (やん)ぬるかな。吾(われ)未(いま)だ能{よ}く

其の 過(あやまち)を見て而{しこう}して内自らを訟(しょう)

する者を見ざるなり
 

  已矣乎(やんぬるかな) ーため息をつく言葉

   訟ー責め正す

2.子曰く 徳は孤(こ)ならず、必ず隣〔りん)有り

  
孤ー孤独。   隣ー同じ考えの隣人


3.子曰く君子は言(こと)に訥 (とつ)にして、而(しこう)して

行(おこない)に敏(びん)ならんことを欲す

  
   訥ー飾りの無い、遅く鈍い    


4.饒舌{じょうぜつ}の時、自ら気の暴するを覚え、


  暴すれば斯 (ここ)に餒{う}える。

  安{いずく}んぞ 能{よ}く 人を動かさんや。

  
斯ー 暴の反意語の道理や道徳を指す。 
  
  餒える。 ーひどく欲しくなる


5.言{こと}を慎{つつし}む処{ところ}すなわち行{おこない}

  を慎む処なり


6.曾子(そうし)曰く。吾{われ}日に三たび 吾(わ)が身を

  省(かえり)みる人の為に謀{はか}りて

  忠(ちゅう)ならざるか、朋友(ほうゆう)と交わりて

信ならざるか。 伝えられて習わざるか。

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(3)古典漢文
  上記の古典読み下しを10回〜20回素読すると下記の漢文は読める
  ようになります。 読めなければ又上記に戻り、10回読めば下記に
  て素読できるようになります。是非漢文にて素読するようにしよう。

>素読音声を聞くことができます。是非素読参考にしたい方
 はクリックしてください。
  ここをクリック素読音声


 1.  子曰。 已矣乎。 吾未見 能見其過而内自訟者也
                
                     論語 公冶長篇     

 2.  子曰。徳不孤。必有隣
                
                     論語 里仁篇
 
 
 3.  子曰。君子欲訥 於言而敏於行  
                 
                     論語 里仁篇

 
 4.  饒舌之時、自覚気暴。 暴斯餒  安能動人
                 
                     言志録 

 
 5.  慎言処、 即慎行処
                 
                     言志録

 
 6.  曾子曰。吾日三省吾身、為人謀而不忠乎。 

     與朋友交而不信乎。 傳不習乎
                  
                     論語 学而第一

〜〜〜〜〜〜〜。。。。。。。。。。。。。。。。。。。〜〜〜〜〜〜

(4)素読の効用ーーーーー素読とは同じ文章を何回も声を出して読む
 ことである。4,5歳の時親から絵本を買ってもらった。其の絵本は
 野口英雄の偉人傳であった。寝る時も、朝起きてもその絵本を何回も読
 んでいたことを覚えている。其の中に野口英雄が大きな山を見ながらい
つも将来を夢見ている絵と文章をじっと見つめていたことが思い出される
 
今、毎日瞑想をする時は必ず山を前にして行っている自分がフット其の
 事を思い出す。 あの絵本を毎日見ていたことが山を見上げる場で瞑想
 をすることが精神安定を得、日々の癒しに繋がっているように思う。
 
このように漢文だけでなく、絵についても何回も見る、読むことは潜在
 意識に刻印され、将来に影響を与えるようになる。 現今17歳の犯罪
 が問題になっているが、彼らが5歳ぐらいの時に1985年〜1988
 年にはテレビゲームが子供達は親と一緒になって、夢中になっていたの
 である。その画面には戦闘画面があり、打て,撃て、殺す,死んだ、
 やっつけろ、全滅、そんな画面を見て育ったのである。 毎日、毎日
 ゲームを行い、眼,耳、に悪い言葉を、画面を素読して頭脳に刻印して
 しまったのである。   

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****** 世渡りと生きがい〔素読の行) VOL-9 ********
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(1)  はじめに
(2) 古典の読み下し
(3) 古典簡訳
(4) 漢文
(5) 現代の風潮  
>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>
(1)はじめに 
最近の異物混入事件、病院関係のミス事件などが相次いでいますがこの問題
はすべての根因は同じところにあるように思います。
すべて機械、機器に任せ信用し過ぎてしまいチエックを怠り自分の判断する
べき時には、流れに任せて事務的に処置してしまっていろいろな事故が起き
ています。

製造業等は100分の1の精度は機械にできるが1000分の1の精度は
職人の感、技術を必要とするようで、このような精密な製品は今や日本の
独壇場であると聞く。日本は大会社、金融関係はITに乗り遅れているが
中小企業の製造部門のIT関係ロボット技術を筆頭に世界のトップを走っ
ていることを先日のNHKの特集で放映されていた。

(2)古典読み下し

 ここをクリック素読音声 

天下、皆(みな)美の美為(た)ることを知る、斯(こ)れ悪のみ。

皆善の善 為(た)ることを知る、斯(こ)れ不善のみ。 

故(まこと)に有無(ゆうむ)相(あい)生じ、 難易(なんい)

  相(あい)成(な)し、

  長短 相(あい)形(けい)し、高下 相(あい)傾(かたむ)け、

音声相和し、前後相 随(したが)うは恒(つね)なり。

是(ここ)を以(も)って聖人は、無為(むい)の事に処(お)り

不言(ふげん)の教えを行う。 


(3) 古典簡 訳

天下の人は 皆自らの言行が 美、正しい言行であると思っている。

だから 天下の人は 皆悪人である。

天下の人は 皆自らの言行が 善言行であると思っている。

だから天下の人は 皆不善者である。

有と 無 、 難と 易 、 長と 短、 高と 下 、 音と 声、

前と 後とすべて この世界は陰陽からなっている。

聖人は 自らの言行を、 美、正しい言行とは思わない、

自らの言行を 善行 としない (無為としている)

人の為 (偽ーにせ) としない

無言の教え、教えない教えを行っているのである。

4、古典漢文

>素読音声を聞くことができます。是非素読参考にしたい方
 はクリックしてください。
  ここをクリック素読音声


天下皆知美之為美。斯悪已。皆知善之為善。斯不善已。

故有無相生。難易相成。長短相形。高下 相傾。

音声相和、前後相随。恒。是以聖人。処無為之事。

行不言之教。 

5、現代の風潮

現在、自己中心的な人が多いことでそのことを ジコ虫 と言っている。
このような人を 陰陽では 陽過ぎた人間と言う。
自分が すべて 正論だと思っている、
其のために人の意 見、考えを聞くと即反論を必死に述べる相手も自分
こそ正論だと思っている、

今回の 老子の2章の文章では其のような人を 悪人であり、不善者と
断言している。
これからの時代は自分の考えだけを、固持して曲げない、相手の考えを
を聞こうともしない思考法は 即行きずまり生きて行けない態度であろう
 と思います  

常に反対の考え方に、真剣な 眼差しで注目する心のゆとり又 幅のある
 フアジーな考え方が 必ずこれからは必要になってきます。
 陽(自分)の考え方に陰(相手)の考え方にも良い考え方が 新しい発見
 が有るかもしれない相手の考え方を包み込む思考法をこれからすべての
分野に、必要に なってくると思います。

デイジタル時代に一歩勧めたフアジーの時代に 入っているように思うの
 です。
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******世渡りと生きがい〔素読の行) VOLー10******
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<<<<<<<<<<<<目  次<<<<<<<<<<<<<<<<
(1)  はじめに
(2) 古典の読み下し
(3) 古典簡訳
(4) 漢文
(5) 現代の不言の教え  
>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>
(1)はじめに
前回に 続き老子の2章を解説していきます。 この講座において
以前マキャベリーの非情主義の西洋的考え方を記しましたがこの老子
  の内容は我を無にして、自分のため、他人の 為、世の為と言う事
も無しにして、無為 として自分の手柄 にもしない思想であります。

何かマキャベリーと老子の 考え方は 全く逆な考え方であります。
この逆な考え方をどのように取り入れるかであります。ここに人生観
 と生きがいとしての 矛盾であり、神髄であろうと思います。
この両対極の考え方をいかに 頭脳だけでなく、身体に浸透させ態度で
 人生に表現できるかが皆さんの周囲からの評価が 決定すると思います

(2)古典読み下し  

ここをクリック素読音声

天下、皆(みな)美(び)の美(び)為(た)ることを知る、
 
 斯(こ)れ悪のみ。
  
  皆(みな)善(ぜん)の善(ぜん) 為(た)ることを 知る、
   
  斯(こ)れ不善(ふぜん)のみ。
 
有無(ゆうむ)相生じ、

難易(なんい)相(あい)成(な)し、長短(ちょうたん)

相(あい)形(けい)し高下(こうげ) 相(あい)傾(かたむ)け、
 
音声(おんせい)相(あい)和し、

前後相(あい) 随(したが)うは恒(つね)なり。 

  是(ここ)を以(も)って聖人は 無為(むい)の事に処(お)り、

不言(ふげん)の教えを行う。 
(ここまでは前回)

 
 ここをクリック素読音声
 

万物(まんぶつ)は

作(つく)りて 而(しか)も辞(じ)せず、

生(しょう)じて有(ゆう)せず、

為(な)して 而(しか)も恃(たの)まず、

功(こう)成(な)って而(しか)も居(お)らず。

夫(そ)れ唯(ただ)居(お)らず
  
是(ここ)を以(も)って去(さ)らしめられず。


(3) 古典簡 訳

天下の人は 皆自らの言行が 美、正しい言行であると思っている。

 だから 天下の人は 皆悪人である。

天下の人は 皆自らの言行が 善言行であると思っている。

  だから天下の人は 皆不善者である。

有と 無 、 難と 易 、 長と 短、 高と 下 、 音と 声、

前と 後とすべて この世界は陰陽からなっている。

聖人は 自らの言行を、 美、正しい言行とは思わない、

自らの言行を 善行 としない (無為としている)

人の為 (偽ーにせ)としない。

無言の教え、教えない教えを行っているのである。

(ここまで前回)

大自然は 万物を養い、作りて その業績に対して

  謝辞、感謝を受けない(不辞)

大自然は万物が生長しても自分の業績としない(不有)


大自然は、業績を為しても 業績の見返りを求めない(不恃)

大自然は、業績を成しても 業績の見返りを受けない(不居)

必ず見返りを受けてはならない(不居)

そのようにすれば、業績を残した者として、将来もその功績が

消え去らないであろう。

(4)古典漢文
 

天下皆知美之為美。斯悪已。皆知善之為善。斯不善已。


故有無相生。難易相成。長短相形。高下 相傾。


音声相和、前後相随。恒。是以聖人。処無為之事。


行不言教。

 素読音声を聞くことができます。是非素読参考にしたい方
 はクリックしてください。

  ここをクリック素読音声

万物。作焉而不辞。生而不有。為而不恃


功成而 不居。夫唯不居。 是以不去。


(5)現代の不言の教え

不言の教えー現代は将棋の世界、落語の世界、日本料理の板前世界、

に残っている。弟子は使い走りをして、何も教えられず唯見て、聞いて

共に行動を共にして、覚えたい意欲を高め、五感で身体にその腕、技術

話術を盗み、学び取って行く。 言葉により教わる事なく教わらない教え

を学び体得していく。

東洋の教えの根幹には不言の教えがあり西洋の教えは有言の教えである。

東洋の教えはアナログであり、 西洋の教えは デイジタルである。

従い、西洋では段階を設けて、マニュアルがありその通りに指導される。

東洋特に日本ではマニュアルはなく言葉の教えはなく注意し叱る、方法を

やって見せて感性で学ばせていく。西洋式は早く技術を習得する事が出来る

ところが職人の世界、技の世界では西洋式では名人の領域に到達できない。

機械では100/1 ミリの精度までは、作れるがそれ以上の1000/1ミリの精度の

製品をつくるためには、職人の名人技が生かされている。

この名人技を駆使する製造業は日本はまだあらゆる分野に残っている。

従い中小企業のその名人技をたよって世界有数の大会社から部品製造依頼が

あるのである。 この名人技こそ不言の教えから生まれる術である。

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