世渡りと生きがいNO61〜NO65

     



目次 D
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************世渡りと生きがい〔素読の行)vol 61******
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[1]古典言行録-松柏之下、其草不殖。
[2]古典読み下し文-荘子(内篇 斉物論)
[3]古典漢文-
[4]陰陽(易経)思考法- 陰極まりて陽生じる。
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[1]古典言行録
松柏(しょうはく)の下は、その草(くさ)殖(ふ)えず。(春秋左氏伝)
松柏之下、其草不殖。
簡訳: 松や柏のような大木の下では、弱い草は育たない。
力の強い者が周囲にいると、弱い者は栄えることができない。

[2]古典読み下し文
荘 子 (内篇 斉物論)
  
   物(もの)、彼(か)れに非(あら)ざるはなく

   物(もの)、是(こ)れに非(あら)ざるはなし。

簡訳:
どんなものでも見方によってああでもあり、こうでもない
と言う考えが出てくる。
是非善悪の議論は立場、見方、歴史的世上の環境によって
是が非となり、非が是となり、善が悪となり、悪が善となっていく

[3]古典漢文
荘子(内篇 斉物論)
  
   物無 非彼、 物無 非是。

[4] 陰陽(易経)思考法
  〇 陰極まりて陽生じる。
歴史上宗教に関連して戦争が起こることが多いのはなぜであろうか。
宗教とは心の平和、人類の平和を願っているのではないのか。
平和にするためを理由にして戦争を仕掛けていく。
平和主義者が戦争を好んで行っているような不思議な現象がここ
2000年繰り返されている。
なぜ宗教に関連して戦争が起こるのかを陰陽思考で検証していこうと
思う。

自分の考え、行為は正しく、すべての結果は他人、他国、環境、
自然災害が悪いと考える ・・・・・ 陽的考え

すべての出来事は自分の責任である。 自分、自国、我々が悪い
と考え、 他人の考えを尊重する・・陰的考え

宗教には心の教えがある、その教義が確立して素晴らしいほど人間は
その宗教を信心を厚くして多くの人がその宗教に集まる。
その宗教が絶対に正しいと信じる思いが強くなっていく、この陽的考え
が強過ぎることから他がすべて悪いと考えるようになる。
宗教の教義は絶対正義、それを信じる人間がすべて正しく他宗教、
他国を悪いと考えるようになっていく陽的考えだけの言動が多くの
戦争を引き起こしているように思う。

宗教の教義は教えに間違いはなく、それを取り違えた言動を起こす
人間の無知と浅い、狭い度量が多くの過ちを起こしているのであろう。
老子の言葉に、
「天下皆、美の美たるを知るこれ悪のみ。
皆善の善たるを知るこれ不善のみ。」
自らの美、善行を絶対に真実だと思う人間は悪人であると説いている。
自分の考え(陽)に固執せず、周囲の考え(陰)を相待ち、統一し、包含し
成長、発展させる考え方が望ましいと言っているのではないだろうか。

記) 易経を基にして陰陽思考を記していますが、時に皆さんの考えと
違う考えが出て、異論の意見、諌言を頂くことがあります。ここに記
すことが正しいことでなく、易経思考ではこのように導き出された考
えであり又時期が違えば陰陽逆転の考えもあることを知って頂きた
いと思います。陰の考え、陽の考え必ず決めて進めていくことが次
の決定に繋がります。コンピューターと同じく曖昧なことでも 0か1か
を決めて次に進めて行くデイジタル思考です。
もし違う論があればこのような違う考え方、対論があることを参考に
自らの持論を展開してほしいと思います。

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************世渡りと生きがい〔素読の行)vol 62*******
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[1]古典言行録-久受尊名 不祥。
[2]古典読み下し文-言志四録
[3]古典漢文-人有 好為 触忤者。
[4]陰陽(易経)思考法-化学陰陽と21世紀世界
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[1]古典言行録
久(ひさ)しく尊名(そんめい)を受(う)くるは不祥なり。
   久受尊名 不祥。
簡訳: 長い間、 高地位、名誉を受けていることは不幸を招き
寄せる基である。斉の宰相 笵蠡(はんれい)

[2]古典読み下し文
言志四録 佐藤一斎
人は好んで触忤(しょくご)を為(な)す者(もの)有(あ)り。

但(た)だに失徳(しっとく)なるのみならず、

怨(うらみ)を取るの道も的(まさ)に此(ここ)に在(あ)り。

戒(いまし)む可(べ)きの至(いた)りなり。

語釈: 触忤:冗談にてからかうこと。
失徳:徳を失う行い。

[3]古典漢文
言志四録 佐藤一斎
人有 好為 触忤者。

不 但失徳。

而取 怨之道的在此。

可 戒之至。

[4] 陰陽(易経)思考法
 
 〇化学陰陽と21世紀世界
H(水素)は燃えると赤い炎になりO(酸素)が燃えると紫の炎となる。
赤は陽であり紫は陰となり陰陽差が大である為簡単な媒介で吸着
し水となる。
Cu(銅)とFe(鉄)は接合するのに陰陽差が微小の為難しい。溶接
という高温(極陽)が必要となる。
ここで陰陽差が大であるほど引き合う力は大である。
陰陽差が小であれば 引く合う力は小である。
我々の周囲にある物、景色、服装、あらゆる物は色を持っている。
その色がどうして眼にその色として見えるのか、
光にはすべての色が含まれているが物体に光が当たるとその物体
と同波長の色だけをはね返して眼に見えるのである。

その物体は自分と違う色は全吸収し、自分と同じ色は反射し受け
付けないのである。 この光の性質は人間関係に似ている、自分
と同じ特徴、性質を持っている者には反発して、寄せ付けないよう
にするのである。
自分が嫌う人間とは、同じ長所を持っているから嫌うようになり、
ライバルとなるのであり、また相手の欠点を見て嫌うことも自らの
心の内の隠れた同じ欠点を見せられて嫌うのである。

現代は相対する周囲、考えが違うように思われる反対者の意見
は真の内実は全く同じ特徴、長所、短所を持つ人間、団体、国家
と争っているのではないだろうか。
現代の大きな争いを考えてみても内面からみると自ら正しいと信
じ過ぎる、陽過ぎる人と陽過ぎる人(極陽と極陽)とのぶつかり合
いである。言い換えると同類の争いである。

従いこれからは自らの考えだけに固執せずに相対する考えを
相待ちながら取り入れていく、吸収していく考え、包容していく
考えを持たなければ個人も、団体も、国家も孤立していく。

西洋的な一人、一団体が勝ち続けるまで競争激化する世界は
20世紀の競争世界であった。
現代は西洋流の情報をを駆使して汗水たらして働く人間たちを
評価して世界の流れを先取りしていく手法、この同じ方法を東洋
にも波及しようとしている。

西洋も東洋も同じシステム社会が出現すれば貧富の差は益々
大きくなり、陰陽差が大きくなることは互いにぶつかりあう力が
大きくなる。 極陽(富)と極陰(貧)との衝突、戦争が益々激しく
起こってくる。

21世紀は自然を大切にしながら東洋文明主導で西洋文化を
取り入れ融合する新世紀を創造する時代に入りつつある。

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************世渡りと生きがい〔素読の行)vol 63***********
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  [1]古典言行録-美を成すは悪の器なり。
  [2]古典読み下し文-陰隲録
  [3]古典漢文-此改 過之機也。
  [4]陰陽(易経)思考法-カタカナ語
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[1]古典言行録
     美(び)を成(な)すは、悪(あく)の器(うつわ)なり。 
       成 美、 悪器也。    (荘子)
   簡訳: 美行、善行を意識して行う態度は、悪どい行動をする人格を
       形成する始まりである。

[2]古典読み下し文
        陰隲録(いんしつろく)-袁了凡(えんりょうはん)

    孟子曰く、恥の人のおけるや大なり。

    その之を得れば、則ち聖賢(せいけん)

    之を失えば則ち禽獣(きんじゅう)たるを以(もっ)てのみ。

  此れ過(あやま)ちを改(あらた)むるの機(き)なり。

  簡訳: 孟子の言葉に恥を知ることは人間にとって大切なことであ
   る。恥を感じ得ればその人は立派な聖人であり賢人となる、
      これを感じない人は禽獣な心を持った人である。
      この恥を感じ得たときこそ言行を改める機会であろう。

[3]古典漢文
       陰隲録-袁了凡
   孟子曰、恥之於 人大矣。

      以 其得之 則聖賢、

      失之則禽獣耳。

   此改 過之機也。

[4] 陰陽(易経)思考法
   カタカナ語              
 この章を記すことで、今までカタカナ語を使用しないようにしてきた。
 最近ボランティアという言葉が良く聞かれる、この行動は西洋式な
 行動のように受け取れる。日本人にはなじめない行動に思われる。
 西洋人が罪を犯したときにその代償に本人の罪意識を反省させる為
 に他人の為になる行動を無償で奉仕するようになったと聞いている。

日本では介護ボランティアを行っていると言いながらその中に報酬 
を受けている人がいれば無償で行動している人から苦情が出ていた
りする。又表面上はボランティアとなっているが多くの利益を貪って
 いる団体もあるように思える。   このようにカタカナ語の行動には
良いことも悪いことも意味不明にしてどちらにもとれるような偽るよう
な意味合いが隠されている。
偽という字は:人の為と書いて「いつわる」と読む。

リストラという言葉にしても首切りという行為が隠されているし企業
からいうと企業内再構築となるが整理された人間にとっては首切
りにあったのである。
最近はあまりにもカタカナ語を駆使する人間が多く、理知的と思わ 
れる風潮があり日本的外国語(カタカナ語)は英語を話す時にはその
単語は全く通じない言葉になりつつある。
この英語を話せない人間も英語を話せる人間もなぜカタカナ語使う
ようになっているかといえば日本語を熟知していないことが基にある、
話している時に当てはまる日本語が思い当たらないので英語が口か
ら出るのであり適当な日本語を使えば無知と思われることを恐れて
カタカナ語を使うようになったのである。
 カタカナ語を話す人間は理知的などではなく、日本語の語彙を多く
持たない無知な、知らない、話せないことを証明しているのである。
 現在のカタカナ語は公の流行語大賞となり、発音も、意味も独自の
日本語になってしまっている。

日本語の乱れであり、この乱れが幼児、若者、成人、老若男女を問
わず言行に、精神的にも大きな悪影響を及ぼ しているように思うのは
果たして杞憂であろうか。

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************世渡りと生きがい〔素読の行)vol 64**********
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  [1]古典言行録-非人情、不可近。
  [2]古典読み下し文- 己(おのれ)の善を
  [3]古典漢文- 勿 以己之善 而形人。
  [4]陰陽(易経)思考法- 一灯照隅
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[1]古典言行録
   人情(にんじょう)に非(あら)ざるは、近(ちか)づく可(べ)からず。
        非人情、不可近。     管仲(かんちゅう)

   簡訳: 人間として、人間の情を背(そむ)いてまで主君に従う者を近 
         づけてならない。

[2]古典読み下し文
       陰隲録(いんしつろく)-袁了凡(えんりょうはん)

      己(おのれ)の善を以(もっ)て 人を形(あら)わすなかれ。
 
     己(おのれ)の多能(たのう)を 以(もっ)て

      人を困(くる)しむるなかれ。

      才智(さいち)を収斂(しゅうれん)し、無(な)きがごとく

      虚(むな)しきがごとくし、

      人の過失(かしつ)を見てはかつ涵容(かんよう)して

      これを掩覆(えんぷく)する。

 語釈:  収斂(しゅうれん):収めかくす。
        涵容(かんよう): 包容する。 受け入れる。
        掩覆(えんぷく): おおいかくす。

[3]古典漢文
    陰隲録-袁了凡
    勿 以己之善 而形人。
 
    勿 以己之多能 而困人。

    収斂 才智若無

    若 虚見人過失、

    且 涵容而掩覆之。

[4] 陰陽(易経)思考法
  ***一灯照隅 ***
 小学校、中学校では昔から他人には善きことを施せ親には孝行せよ
 と教えてきたように思う。しかし最近は見知らぬ他人には用心せよと
 教えている。

〇若者達はやさしい,おとなしい顔立ちをしている。
最近のこども達ー若者達は心に思ったことは、即言葉に出す習慣にな
っている。思い浮かんだことを頭に留めて練り考えてそして表現する
発言する習慣、力がない。従い悩みも即他の遊びで発散して吐き出し
てしまい、心に,頭に押し留めて悩み抜く力が不足のため、顔はおだ
やかな,やさしい顔のまま、殺人強盗など悪い行動を衝動的に平然と
行うようになっている。
この一原因に携帯電話,携帯飲料水の弊害がある。
思い付いたら即電車の中から友達に電話する。のどが乾いたから即
飲料水を飲む。しばらく耐える、良いか悪いかを考える間がない。
こんな習慣から思い付いたら即行動、この習慣から悪いほうへ,楽な
方へと楽しい,快楽の方へと行動が連鎖していく。

★自分の言葉、行動はすべて正しいと思い、他人,周囲がすべて悪い
  と考える。−ーー陽的考え(性悪説)
★他人の言葉,言動はすべて善であり、正しいと考え,自らを反省する
  ―ーー陰的考え(性善説)
〇陽的考えに、若者だけでなく社会全体がどうしてなったのであろうか
これは学校の教育、内容は形式だけの性善的教えとなりその善の知識
が頭全体に行き渡り、善で他人を推し量る見方がすべてになっている。
しかし社会は反対に自己主張の世界すなわち性悪世界である。自分だ
けが合格すれば幸せ自分だけが就職すれば幸せ自分、自社だけが儲
かれば良いと言う自己中心的社会であり、競争世界である、

学校の教えはすべて性善説となり、社会は性悪的社会である。 
若者も社会人も他人に対する見方は性善説で批判、議論していくが自ら
の行動は性悪説的行動をとることが普通になっている。
この矛盾が知識豊富の子供達にとって、学業が優秀であればあるほど
重大犯罪を犯す人間をつくりだしているようである。
性善と性悪これは性善が正しく、性悪が悪いのでなく割合の問題のよう
である。 ある人は性善50対性悪50、80対20、いろいろ考え方があろうと
思うがその割合はその人の考え方で目指す方向も違うとおもう。

ひとつの例をあげると政治の世界で今話題になっていることで
*総論賛成、各論反対*と言う言葉にこの矛盾が凝縮している。
総論賛成ー性善的に考えて全体を構造改革していくことは賛成である。
各論反対ー性悪的に考え自らの不利益になることは断固反対である。

子供たち、若者の行動は政治社会、大人社会の反映であり、若者達を
責めるより自らの周囲を1日1善、一灯照隅が必要に思う。
  
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************世渡りと生きがい〔素読の行)vol 65**********
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  [1]古典言行録- 以馬上得之、寧可以馬上治之乎
  [2]古典読み下し文-予其の言を偉とし拝して教えを受く。
  [3]古典漢文-予偉 其言、拝而受教。
  [4]陰陽(易経)思考法-  陰 徳
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[1]古典言行録
     馬上(ばじょう)を以(もっ)て之(これ)を得(え)たるも、
     寧(いず)くんぞ馬上(ばじょう)を以(もっ)て
     之(これ)を治(おさ)むべけんや

   以馬上得之、寧可以馬上治之乎。   陸賈 (りくか)

 簡訳: 権力、武力をもって地位を得ても、 権力、武力をもって
        その地位を治め保つことができようか。
    ( 文武併用こそ天下、地位を保ち、国を治めることができる。)

[2]古典読み下し文
       陰隲録(いんしつろく)-袁了凡(えんりょうはん)

      予(よ)其の言(げん)を偉(い)とし拝(はい)して教えを受く。
       因(よ)って往日(おうじつ)の罪を将(も)って
       仏前(ぶつぜん)に情(じょう)を
    尽(つ)くして発露(はつろ)す。
       疏(そ)一通を為(つく)りて
       先(ま)ず登科(とうか)を求む。
       誓(ちか)って善事(ぜんじ)三千条(さんぜんじょう)を行ひ、
       以(もっ)て天地(てんち)祖宗(そしゅう)の
       徳(とく)に報(むく)いんとす。
       雲谷禅師、功過格(こうかかく)を出(い)だして予(よ)に示し、
       行う所の事を日を逐(お)うて登記(とうき)し
       善(ぜん)なればすなわち数(かず)を記(しる)し、
       悪(あく)なればすなわち退除(たいじょ)せしめる。

 語釈:  予: 自分のこと        偉: 偉大
             往日: 過ぎ去った日々
             発露: 表面に出し反省する。
             疏一通 : 箇条書き
             登科: 科挙の試験合格
            天地祖宗:天地祖先
      功 過 格: 功とは自分の功績、善い行い、 過とはあやまち
                    を一覧表にしたもの
            退除 : 差し引く

[3]古典漢文
    陰隲録-袁了凡

   予偉 其言、拝而受教。
    因将往日之罪、
    仏前盡情発露。
    為疏一通、 先求登科。
    誓行善事三千条、
    以報天地祖宗徳。
    雲谷、出功過格示予、
    令所行之事、逐日登記、
    善則記数、
    悪則退。

[4] 陰陽(易経)思考法
   陰 徳 (陰隲録より)
現代の世相をみると、多くの人が礼義を失っているように感じる。
山、海に、花見、遊びその後はゴミの山である。街を歩いている人は、
煙草の吸殻を道路に捨て、空缶もそのまま捨て自分が楽であれば良い
自分の思うまま、行動し他人のこと、全体のことを無視した行動が多過
ぎるように思います。
   
陽の考え      
自分の言動の後始末は他人がやってくれる。  
ゴミは清掃する人間がいるので煙草ポイ捨てもいいじゃないかと考える。
空缶回収は消費者、市町村がやるべきである。    
全ては、他人、環境の責任である。      
自己の利益、享楽、安楽を貪る事を求めて他を無視していく心理が生
じている。        

陰の考え
自分の言動は自ら責任を持つ
空缶は煙草の吸殻、ゴミは所定の場所へ捨てる。
企業自ら責任を持ち、リサイクル、そのほかを実践する
全ての責任は自分、自社にある。
利他の精神を持つ
  
陽の考えが過ぎれば、争いが生じ乱れた世の中になるのは現在の世相
を見ても明らかである。
この日本の環境を良くして行くには陰の考えを持つ人が多くなる必要
がある。 

陰隲録
世の中を良くするには、一灯照隅より他にはない。一人一人が一灯に
なってそれぞれの一隅を照らして行く、自分の周囲を十分に活かすと
同時に現今の自分の使命、責任を果たして行くこれより他に道はない
と思う。自分一人ぐらいが何をやろうが、いいじゃないかこの考えが一
番いけない。 
 
現代は『誰もが自己の利益と安楽を貪ることを求めてそのためには
他を無視していくと言うような考えが生まれてきた。 
これが一番大きな禍の基になっている。(陽ー自分勝手の考え) 
そうではなく、自分のやるべき最小限のことをやっていく、それらの
善行を積み重ねて行く、そういう心掛けを周囲に波及していくいつの
間にか世の中が大きく変わっていく。』
 
善行というものはこれを行い人に知られようとしては何にもならない
人知れずに行なって初めて陰徳といえる。その時自分の心を点検して
善を為す事が大切である。

陰隲録には、  
善事三千条を実行して、天地の徳に報いんことを誓ったのである。
善悪の基準を書いた功過格というものを出して行なうことを毎日記載
するように命じられた。
これは善いことをすればその数だけプラスし、悪いことをすれば反対
にマイナスにつけるとあります。 
 
善事をすれば、プラス、悪事をすればマイナスという風に毎日の行を
プラス・マイナスで記載するわけです。 例えば道端のタバコの吸い
殻が落ちていればひろう。そのようにしてプラス一点他人を傷つける
言でマイナス一点というように記していきます。従い善事三千条という
と大変な行いとなります。ところが善行に歩んでいる者はより善行を行
いその善差に喜びを覚え邁進することになり千条を過ぎたころより急
上昇するようになります。

反対に悪事を進むものはより悪事をおこなうことに快感を覚え一気に
悪事三千条のほうに突き進んでしまいます。
他人をみて人は善悪の差し引きを考えるとプラスになっていく人とマイナ
スを積み重ねている人がはっきり区別できます。
隠れて善事を積み重ねている人は長期にみてどこかが違ってきます。

功過格表を記し実行してみてください。実際にやってみると面白い、いろ
いろな発見が得られると思います。どんな体験かは、善事千条を超えた
ところで、何かが生まれて来るように思います。 しかし努力して善を為し
ながら、一向にそういう顔もせず無心にこれを行う人が貴いのであって、
これが本当の善行というものです。
みんなで善事三千条をめざし実行し一灯照偶してみようではありませんか。
世の中を大きく変えようと思わず自らの周囲を変えていくことも思わず自分
自身を変身させていく事に専念することにより善行が伝わり循環し大きな輪
の善循環が生じて来るように思います。

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