世渡りと生きがいNO81〜85


目次 D
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***********世渡りと生きがい〔素読の行)vol 81**********
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[1]古典言行録-外を重んずる者は内に拙し。
[2]古典読み下し文-己れの長を以て
[3]古典漢文-毋以己之長
[4]陰陽(易経)思考法- 一即一切、一切即一
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[1]古典言行録

外を重んずる者は内に拙(つたな)し。        列子

      重外者 拙内。

簡訳: 外見を重く見る者、外だけを飾る者は、           
                自らの内面は粗略になる。

[2]古典読み下し文

菜 根 譚
  
 己(おの)れの長(ちょう)を以(もっ)て

人の短を形(あら)わすこと毋(なか)れ。

己れの拙(せつ)に因(よ)りて

人の能(のう)を忌(い)むこと毋(なか)れ。

語釈: 長−長所、
         拙−つたない。愚かなこと。劣っている。
         短−短所
         能−能力
         忌むー 憎み嫌う。避ける。

[3] 漢 文

菜 根 譚
  
毋以己之長 而形人之短。

毋因己之拙 而忌人之能。



[4] 陰陽(易経)思考法- 一即一切、一切即一

華厳経の根本思想である一即一切、一切即一 について簡単に記していきます。

幸田露伴の易数の一部にこんな説明になる部分をあげまず解いていこう。
「一即二、一即八、一即六十四、一即四千九十六、一即想数、一即超想数、

超想数即一 易は陰陽に尽く、而して陰陽に尽きず。 
                      幸田露伴の修省論より
 
                 
人間には、60兆の細胞があり、その1個の細胞には、30億の4
記号からなる情報が本にすると千ページの本千冊分にもなるという。
この1個の情報が60兆の細胞の配置、構造を決定させている。
1個の情報は他の60兆の内容と全く同じなのである。 一即多

月夜に皆が月を見る、多くの人が見ている、ある人は湖に映って
いる月を見、ある人は山を照らしている月、雲に隠れそうになって
いる月、多くの人は情景を違えているが皆1個の同じ月を見てい
るのである。                                          一即多


ディーズニーランドのお化け屋敷、ホーンテッド・マンションのなかに多く
使用されているレーザー光線による立体像を作っているフイルムは
1/1000になっても物体の全体像を写し出すことができるのである
.部分が全体で、全体が部分 。                 一切即一  
                                            
現代の世情の出来事に当てはめてみると表面を飾った組織から多くの
問題が噴出してきている、銀行の合併により表面だけを繕っていたが
コンピューターの誤作動により多くの顧客に迷惑をかけている。

外務省の表面だけを繕おうと対処していたが中国の日本大使館の現場
撮影された映像を世界に報道されたことにより腰抜け外交が露見してしま
った。

一即多、一事が万事で表面だけを飾る考え、面目を重んじることが中心
で中身は出鱈目な組織となっている。
組織が極大になりすぎて身動きができずに益々大きくなり中身は他から
見えないように隠しているが企業組織も、国家も、官僚組織、世界の道徳
も乱れ過ぎてしまい外に次から次へと噴出してきている。
                   
陰陽思考的見方で考えてみると外務省の考え方、北朝鮮の失政、銀行の
経営の誤り、他の巨大企業の破産はすべて同じ過ちからきている。

表面だけを重視して全体を動かしていることである。戦術を考えてから
戦略を決める愚を犯していることであろう。
巨大企業の取締役社長が社内の部分(ミクロ)を見て全体を動かして
いる会社はすべて敗れ去っていく。
一本の木だけを見ていた者が果てしなく続く森林地帯から抜け出して街
に出掛けるのにどちらの方向に動くかが分からないことに似ている。

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***********世渡りと生きがい〔素読の行)vol 82**********
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[1]古典言行録- 天道は是か非か。
[2]古典読み下し文-善く士たる者は武せず
[3]古典漢文-善為士者不武
[4]陰陽(易経)思考法-  競争原理(西洋的考え)
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[1]古典言行録

    天道は是か非か。 史記

    天道是邪非邪。 

簡訳:天道は正しいものなのかそれとも正しくないものだろうか。 
  悪人が安楽な裕福な生活をし片方では正しい生き方をする善人
   が不幸なめにあう現実を見て司馬遷は天道に対する疑問を投げ
   かけた辞句。

[2]古典読み下し文

    老 子

    善く士(し)たる者は武(ぶ)せず。

    善く戦(いくさ)する者は怒(ど)せず。

    善く勝つ者は与(よ)せず。

    善く人を用いる者は下と(な)為る。

    是(これ)を不争(ふそう)の徳と謂(い)う。

     士 − 強い者は。秀でた者は。
     武せず − 武装をしない。(心の内の)
     怒せず − 怒らない。
     与 せず − 相手にしない。

[3] 漢 文

     老 子

     善為士者不武。

     善戦者不怒。

     善勝者不与。

     善用人者為下。

     是謂不争之徳。


[4] 陰陽(易経)思考法- 競争原理(西洋的考え)

日本では10年前に各業界で一番の優秀企業が今現在倒産もしくは
国家予算投入で資金援助されている会社が続出している。
特に金融関係は内部改革をせずに企業と企業と合併して極大な組織
をつくりこの今の難局を乗り切ろうとしている。
競い争う原理が中心にあって負けた者はゴミ捨て場あるのみという
世界となっている。

その競争とは一番の人間が決まるまで血みどろの世界を永遠に創り
だしていく。 その競争のためには他人の苦しみ、他国の苦しみ、
大自然の衰えを顧みない世の中でありその極みが我だけが幸せであ 
れば良い、自国だけが幸せであれば良いと云う思想である。
この競争原理一辺倒の世界では戦争が続き、飢えに苦しむ人間は多 
く生まれ、貧困の絶えない世界が長く続くであろう。

宗教間において特に他を認めない考えが浸透して戦、争いが絶えない
世界を何世紀にも渡って繰り返している。
宗教が悪いのでなくその心の教えの活用を誤っているのである。
競争原理のみの世界はスポーツだけにして経済生活社会は20%は
他の仕組みを取り入れなければ地球世界が崩壊してしまう一歩手前 
に来ている。

頭脳は表面意識(顕在)が20%、隠れた意識(潜在)が80%である
ように、競争意識社会だけでは地球崩壊してしまう。
陽極まった者は陰に落ち込むという易経の言のように一番を極めた
者は不幸を呼び込む頭脳の仕組みがそうさせるのであろうか。
この20%の考えは競争原理(西洋思想)に加えて東洋原理を加味 
して融合させていくことが大切になってくる。

今までは物質の発展成長を重視してきたが物質の隆盛があれば自然
は破壊される、これからの時代は東洋の原理の隠れた美を追求する 
性。精神の美を発展追求する時代に入っている時代である。
周囲にきらびやかな物が溢れても心の内が寂しい世界を脱却しなけ 
ればならない。
これからの時代は物質の発展成長は滅びの階段を下っていることを知  
るべきであろう。




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*************世渡りと生きがい〔素読の行)vol 83**************
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[1]古典言行録- 本を舎てて末を治む
[2]古典読み下し文-天地は生の本なり
[3]古典漢文-天地者生之本也
[4]陰陽(易経)思考法- ワールドカップサッカー−平和なる戦争
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[1]古典言行録

本(もと)を舎(す)てて末(すえ)を治(おさ)む。 六韜

簡訳− 根本を捨ててどうでも良いこと瑣末なことに力を注ぐこと。
本来なすべきことをせずにどうでも良いことにこだわること。

[2]古典読み下し文

    荀 子

  天地は生の本なり、

    先祖は類の本なり、

    君師は治の本なり、

    是れ礼の三本なり。  

簡訳−天地は生の根本であり、祖先は人類の本であり、
    君子や師は世が治まる本である。
    天地、祖先、君師を尊ぶことが礼の3根本である。

[3] 漢 文

    荀 子

  天地者生之本也、

    先祖者類之本也、

    君師者治之本也、

    是礼之三本也。


[4] 陰陽(易経)思考法: サッカー−平和なる戦争

ワールドカップの日本チームが1ー0でトルコに負けてしまった。
考えてみると16位以内に入ったことで良くやったと言うべき戦績
である。
しかしサッカーを熟知していない眼から見た4年前のワールドカッ 
プの成績と今回の戦績を比べてみると格段の進歩である。
前回は3連敗で勝ち点がゼロであった。
前回と今回の違いを陰陽の考えから記して見ようと思います。
1998年の監督は加茂監督の予選大会の指揮の甘さが批判を浴び
コーチであった岡田監督が引き継ぎ予選を勝ち抜きワールドカップ
を指揮していた。

1998年(岡田監督)
 ワールドカップのフランス大会の直前に三浦(カズ)選手と北沢選 
 手を選手枠から除外したことが話題になった。

2002年 (トルシエ監督)
ワールドカップの直前に中村俊輔選手を外し、中山(ゴン)選手、
秋田選手を選出した。
この選出が監督の戦略の違いを明確にしている。
岡田監督は技術面(陽)を重視して若手の選手を起用している。
コーチであった経験から部分(陽)を見て全体(陰)をみた統率を
とれていなかった。
トルシエ監督は技術面より精神面(陰)を重視して中山、秋田選手
を選出している。 実際には中山選手1試合の後半の数分しか出て  
いない、又秋田選手は一度も出る機会はなかった。

しかしゴールを決めた稲本、鈴木選手はこのベンチにいる中山、秋 
田の胸に飛びつき喜びを分かち合っている姿を見ているとチーム内
の精神的支柱になっていてチームに安定感をもたらしていたことが
感じられた。

1998年は予選勝ち抜きに十数試合を戦って来た中心選手を技術
的に衰えを感じてきたと判断して三浦(カズ)を外したことにより
当時若手の城 彰二選手を中心フォワードに指名した。
その若手がワールドカップに活躍せずに3連敗してしまった。
今回その城選手がテレビに出て解説に出て其のときの心理状態を吐 
露していたが印象に残った言葉として試合中「気持ちが舞い上がっ 
てしまった」と述べている。
精神的、技術的(陰陽)両面を考えた監督と技術(陽)のみを考えた 
監督の差が今回の勝利の差となって表れたと思える。

この考えも遠い虹は見えるが近い虹ははっきり見えないの言葉の 
ように過ぎ去ったことへの空論と言えるかもしれない。

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*************世渡りと生きがい〔素読の行)vol 84****************
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[1]古典言行録- 君子は憂えず懼れず。
[2]古典読み下し文-乱は治より生じ
[3]古典漢文- 乱生於治
[4]陰陽(易経)思考法- エンデの遺言と陰陽
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[1]古典言行録

君子は憂(うれ)えず懼(おそ)れず。  論語

簡説:君子は心がきれいでやましい所がないから
        くよくよ心配したり恐れることがない。

[2]古典読み下し文

  孫 子

  乱は治より生じ、

  怯(きょう)は勇(ゆう)より生じ、

  弱は強より生ず。

  語釈ー 怯:おびえる。恐れる。

       乱世は治世より、おびえは勇気より、

       弱気は強気より各々生じてくる。

[3] 漢 文

   孫 子

   乱生於治、

   怯生於勇、

   弱生於強。

[4] 陰陽(易経)思考法:-エンデの遺言と陰陽

1990年頃日本は好景気でヨーロッパ、アメリカは不景気のどん底であっ た、
一国のみの好景気で内需拡大を重点を置くべし、輸入拡大をせよと諸外国
より非難の的であった、今はこの十年の日本が不景気であるか ら他国が
日本に景気刺激策を徹底せよと又日本一国の責任を追求され、銀行の
不良資産処理を早急に行えと責められています。

日本の不景気が好景気になれば欧米各国は即不景気のどん底に陥るで
あろうし、もし先進国がすべてが良くなれば後進国は益々最貧国にな
ってしまいます。 経済においてすべての国が儲かることはあり得ません

47.易経思考法現代観(4)参照


上記において 乗用車とマンションが好況な売れ行きは陽の景気が良い
だけで一般消費者の陰の景気は決して良くならないと明言しました。

最近エンデの遺言というNHKの番組が1999年に流されてから日本各地
で地域通貨が作られ地域活性化の試みが為されています。
エンデの遺言では株、投機で取引される世界年間取引金額は300兆ドル
であるが実際に物が動く実質取引は30兆ドルであり、この300兆ドルは
年々上昇していき実取引との格差が開けば最貧国を多く生む基となる 
ので陽の経済(資本)と陰の経済を切り離すべき動きが高まっています。

注記)エンデの遺言の詳細はYahooやgooの検索で調べると1000件ほど
のHPで紹介されています。

経済指標においての数字は陽の経済効果であって庶民のくらしが良く
なるとはこれからの経済において無縁となります。 銀行という流さない 
、貸さない金銭巨大ダムを作れば水(お金)は腐るのです。

腐った水(お金)ー陽経済において動いても庶民には益は全くありま 
せん。
時には一気に流されても腐った水は飲めない、役に立たないで海に流
れて蒸発して即、陽のお金となってしまいます。
西洋の搾取経済、投機資本社会から身を守るために、地域のお金が巻
き 込まれないように地域毎に地域貨幣を発行して陽のお金から切り離
すべく日本各地の100カ所以上で地域活性化に取り組んでおります。

このエンデの遺言で問題視していることは銀行の今までの役割は終わ 
り新たな使命を見出さなければ銀行は不要となる。
大自然は生まれた物は必ず滅亡する社会である、お金は逆に増えてい
る、これからは預けたお金に利子がつく経済社会は終焉を早めて混乱
を招くことに警鐘を残しています。

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*************世渡りと生きがい〔素読の行)vol 85***********
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[1]古典言行録-世異なれば
[2]古典読み下し文-楽は内を脩むる所以なり
[3]古典漢文- 楽所以脩内也
[4]陰陽(易経)思考法- アメリカ、エンロン倒産と陰陽
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[1]古典言行録

世(よ)異(こと)なれば則(すなわ)ち事(こと)異(こと)なる。

       世異則事異。 (韓非子)

簡訳: 時代が違えば、人の考え、価値観が変わってくる。


[2]古典読み下し文

礼 記 (らいき)

楽(がく)は内(うち)を脩(おさ)むる所以(ゆえん)なり、

礼(れい)は外(そと)を脩(おさ)むる所以(ゆえん)なり。

釈語: 所以ーわけ、いわれ、理由
簡訳: 音楽は内面、心を正しくして礼儀は外面、行動を美しく
         する。


[3] 漢 文

   礼 記

   楽所以脩内也、

   礼所以脩外也。

[4] 陰陽(易経)思考法: アメリカ、エンロン倒産と陰陽

2001年9月11日を境にしてアメリカが権力誇示が急上昇してきて、
い ろな分野で自己中心的言動がなお一層強まり政治、軍事、経済
が狂い始めてきた感がある。

1980年代に日本が経済界において世界各地に進出して経済アニマ
ルと脅威の的となり一国貿易黒字超大国となり日本人は働き過ぎと
揶揄され平均労働時間を短縮を迫られた経緯があった。

今では他国の方が多く働き経済の面ではヨーロッパ、アメリカの会社
に買収される企業が数多くあり日本の資本が海外に流出している。
この原因は内面はつぎはぎだらけで外見だけを飾る会社が多かった
ことであろう。
働く個人を評すれば奢りによる怠慢の言動である、バブルの弾けた基
は中身には実力はなかったことである。

1990年代はアメリカのバブル経済である、この国も同じく中身がなく 外
見だけを飾る経済である。その例がエンロンやワールドコムの粉飾決算
による株価操作である。
株価が上昇しているときは飾ることはできるが下降してしまえばエン ロ
ンのように赤字を隠すために2800のペーパーカンパニーを作ってい た
のはこの会社だけの問題でなく本の一隅でありその一隅が全体である。
 この粉飾決算を数年の間見破ることができなかった優知識者である専
門の株価分析官の怠慢であろう。日本とアメリカの共通する問題点は何
であろうか。

知識優秀者は20%の顕在意識の優秀者であり、陽の意識で表面を飾る
習性を持っている。
感性優秀者は80%の潜在意識の優秀者であり、内部を磨き、陰の意識で
内 部の充実を重きをおく習性を持っている。

共通の問題点は
見えるところ、外見を粉飾して実力以上に見せようとした言動、周囲が
優秀であると評価すると一層奢り怠慢の極みに発展した結果がバブル
であろう。

頭脳は顕在意識は20%、潜在意識が80%であり、従い世の中の経済構造は
20%の人が80%の資金を所有して80%の人が20%の資金を所有する形となる。
現代は数%の人が90%以上の財産を持ち、90%以上の人が数%の金を分け
 ている世の中である。

極陽(超財産家)と 極陰(極貧困者)との格差が大きく成り過ぎている。
磁石のSが最大値と 磁石のNが最大値 では引き付け合う力が大きくて吸引
力が強過ぎて互いに衝突破壊が2001年9月11日以降の陰陽表現であると
考えます。

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