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*************世渡りと生きがい〔素読の行)vol91**********
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[1]徳の言海-外を重んずる者は内に拙し
[2]古典読み下し文- 之を聞けども見ざれば
[3]古典漢文- 聞之而不見, 雖博必謬
[4]陰陽(易経)思考法-顕在意識優秀の功罪(2)
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[1]徳の言海
〇 外を重んずる者は内に拙(つたな)し。
重外者拙内 列子
拙しー力が不足、粗雑
〇 似(に)て非(ひ)なる者を悪(にく)む。
悪似而非者 孟子
簡訳: 似ているが実際は偽物であるものをにくむ。
[2]古典読み下し文
荀 子
之(これ)を聞けども見ざれば,
博(ひろ)しと雖(いえど)も必ず謬(あやま)り、
之を見れども知らざれば、
識(し)ると雖(いえど)も必ず妄(くら)く、
之を知れども行わざれば、
敦(あつ)しと雖(いえど)も必ず困(くる)しむ。
*釈語*
博(ひろ)しー 聞いた広い知識
謬(あやま)りー 誤り
識(し)る ー 見てきた博識
妄(くら)く ー あいまい、はっきりしない
敦(あつ)し ー 深い考え
困しむ ー 困難にぶつかる。 苦しむ。
[3] 漢 文
荀 子
聞之而不見, 雖博必謬、
見之而不知、 雖識必妄、
知之而不行、 雖敦必困。
[4] 陰陽(易経)思考法: 顕在意識優秀の功罪(2)
昭和の名経営者には松下幸之助氏、本田宗一郎氏が有名であり、現代の日本
経済の基盤を構築した方々である。
この二人に共通していることはは尋常高等小学校までの学歴であり現代の企業
社長の名門大学学歴とは無縁である。
自らの発明、発見で製品をつくり会社を起こし大企業に成し遂げて いったので
ある。
自らの独自の経営方法を編み出しながら顕著な松下電器を、世界のホンダを
創成し、日本経済の基盤と世界経済を押し 上げた功労者である。
現代経営者はその基盤にのって歩き続けただけで自ら新しく創出し た経営的考
えはなくただ呆然と歩み続けた社長の企業が倒産もしく は破綻、外国企業に吸
収合併されているのである。
ソニー、ホンダの例では
ソニーは 井深社長(陽)、 盛田副社長(陰)
ホンダは 本田社長(陽)、 藤沢副社長(陰)
特質すべきことは両社ともに社長が技術屋で現場を担当して副社長 が経営を担
当していたことであろう。
社長と副社長の見方考えが全く違い社長は技術部分(陽)をみて副社長は全体
(陰)を見て経営を担当していることである。
部分と全体を見るもの同志であるから陰陽で火花が散る摩擦があっ たであろう
と推測される。
同意見、同じ考えでないことが会社を躍動させる原動力となったのである。
本田社長の場合は一度も社長印に触れたことがなかったと自らが語っ ていると
ころを察すると副社長とは陰陽一体の信用を越えた信頼関 係の証しであろう。
現代経営者は陽の人材であり、時に陰の考えの人間がおれば即排除さ れる風習
があることで満場一致の議事進行、経営方針により最近の大企業、金融界の不
信が続く根源があると推測できる。
大企業金融界、政治家すべてに言えることは組織の最高責任者を辞 したものは
その組織から完全に離れることが必要である。
顧問、相談役、会長などを廃止して完全に辞してもらうことが多くの無駄なし
がらみを無くし新しい経営法を創出する方法であろう。
政治家においても総理大臣を辞したものは政治の世界から離れても らうことが
しがらみを無くし、近代政治を創成する条件であろう。
遠い若き日の学業優秀者、現在は無能力者は官僚だけでなく大企業、金融界にも
多く健在である。
顕在意識の秀才の経営者の時代は終わり、全体を俯瞰出来る潜在意識 の長けた
人間、陰の人間を求められている。
見えるところだけが立派に見える組織から隠れたところも透明にし長期展望を明
確に出来る経営者、組織、国家が現代世界では求められる。
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*************世渡りと生きがい〔素読の行)vol92**********
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[1]徳の言海- 寛なれば則ち衆(しゅう)を得(う)。
[2]古典読み下し文- 徳を以て人を兼(か)ぬる者は王たり
[3]古典漢文- 以徳兼人者王
[4]陰陽(易経)思考法-北朝鮮と人間心理
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[1]徳の言海
〇 寛なれば則ち衆(しゅう)を得(う)。
寛則得衆。 論語
簡訳: 寛大な心の人は大衆の気持ちをとらえることができる
〇 寛にして栗(りつ)。
寛而栗。 書経
簡訳: 寛容にして一点の厳しさを持て。
[2]古典読み下し文
荀 子
徳を以て人を兼(か)ぬる者は王たり、
力を以て人を兼(か)ぬる者は弱く、
富を以て人を兼(か)ぬる者は貧し。
釈語: 兼ぬるー兼務する。併合する。
[3] 漢 文
荀 子
以徳兼人者王、
以力兼人者弱、
以富兼人者貧。
[4] 陰陽(易経)思考法: 北朝鮮と人間心理
小泉首相の北朝鮮訪問により国交回復の扉が開かれ少しずつ国交が
回復することが期待されるがこれからの国交の話し合いは難航が予
想される。
問題視されることは騒がれている拉致問題であるがそれ以前に金正
日国防委員長の考えが国民には一切伝わっていない不気味さであり
正式な声明を国内に発していないことの奇妙な国家代表であるとい
う印象がある。
国内に対しても国外に対しても金正日代表としての演説がないこと
の不思議な国家代表であり、未だに内外から人格不明な人であろう。
人間の顕在意識と潜在意識との関係から北朝鮮の今後を分析してみ
よう。 この顕在(陽)、潜在(陰)の意識の解明は陰陽思考法と同一であ
り一人間心理も国家(多人数人間)心理も一か多の違いであり全く同
じと見ても余り差異はないようである。
ただ一心理より多心理の方が時間的経過に遅いことであろう。
一人の人間が行動をを起こす場合には顕在(表面)意識で一行動を考
えて手足に命令を与える、その行動は潜在意識を通じて身体が動き
行動力となって表現される。
反省行動においても心の内で考えてその反省心を決めて心の内に又
他人に伝えて始めて反省行動が表現されるようになってくる。
国家においても上層部(顕在)が考えてその行動を国民(潜在意識)に
命令を与えられ行動して目的が達せられる。
今回の国交交渉内容を北朝鮮においては国内に向けての声明はなく、
国外に向けても代表の声も聞こえなく日本の首相、関係者の発言説明
のみであった。
北朝鮮の上層部の考えが密室での会合で反省の弁があったと言う報
道を日本の首相の言葉で説明され終わっている。 北朝鮮の国民は
新聞などで日本の首相が来朝して頭が少し下がっている写真を掲載
され謝罪にきたことを大々的に報道しているのであろう。
どの時代においても人間の心理、行動はどの国も同じで国家の代表が
軍部の代表であれば平和は決して訪れないようである。
日本では1932〜1945年の終戦まで13人の首相がでて、その内、軍部出
身者が8人である。日本国内の言論行動規制、統制が厳しく行われてい
た時代であり一番不幸な、暗い時代であった。現状の北朝鮮は60年前
の日本と同じでありこの難局を乗り切るため には次の課題が必要と
なろう。
北朝鮮の今後の国内正常化への道
1、北朝鮮が日本と国交回復正常化が実現する前提は国家代表が軍部
からの代表を降りても国内が安定できること。
2、国家代表が国内に向けて自らの考えを明確に発表できる態勢。
3、国家代表が国外に向けて自らの声で国家の方針を明確に宣言すること。
個人においては顕在意識が潜在意識に浸透するように何度も決断、反省
表明することが心身同一となり行動できるようになる。
国家の指導者は自らの考えを国民に又国外に宣言することが上層部の考え
を国民の行動力となって表現され、国外に宣言することは国家の信用となっ
てくる。
これらの項目が満たされなければ平和は遠のいてしまうであろう。
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*************世渡りと生きがい〔素読の行)vol 93*********
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[1]徳の言海- 一曲に蔽われて、大理に闇し
[2]古典読み下し文-視、強うれば則ち目明らかならず
[3]古典漢文- 視強則目不明、
[4]陰陽(易経)思考法- 忙中閑有り、閑中閑無し。
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[1]徳の言海
〇 一曲(いっきょく)に蔽(おお)われて、大理(たいり)に闇(くら)し。
蔽於一曲、而闇於大理。 荀子
簡訳:人間心理は、一部、一面にとらわれると大いなる全体の理
を掴めなくなる。
〇 人心は譬(たと)えば、槃水(はんすい)の如し。
人心譬、如槃水。 荀子
簡訳:人間の心はたとえてみると、浅いタライの中の水のようで
ある、安定していれば周囲をはっきりと水面に映しだすが、
少し動揺すると屈折してわからなくなる。
[2]古典読み下し文
韓非子
視(し)、強(し)うれば
則(すなわ)ち目(め)明(あき)らかならず、
聴(ちょう)、甚(はなは)だしければ
則(すなわ)ち耳(みみ)聡(そう)ならず、
思慮(しりょ)、度(ど)過(す)ぐれば
則(すなわ)ち智識(ちしき)乱(みだ)る。
簡訳: 目で強く見ようとすれば明確に見えなくなり
聞こうと注意を向け過ぎると焦りではっきりしなくなり、
考えが度が過ぎると知識、頭脳が混乱してくる。
[3] 漢 文
韓非子
視強則目不明、
聴甚則耳不聡、
思慮過度則智識乱。
[4] 陰陽(易経)思考法:- 忙中閑有り、閑中閑無し。
忙(ぼう):忙しい、 閑(かん): ひま
会社に勤務する人、会社を自ら経営する人、店を自ら営んでいる人
農業を生業にする人、他の仕事で日々の雑事に追われている人、す
べての人は毎日の仕事、企画に忙しい日々を過ごしている。
ある会合で一番最初に来た数人が集まって話している人が"あの方は
今日も来られないでしょう"と断言していたので何故と聞いてみると
"あの方は主の仕事を離れてひまな時間が多過ぎて来られないでしょう。
"と言う答えが返って来た。
特に道楽、趣味と思われる集まりには忙しい人は時間を割いて参加す
るが暇な人は趣味の時間を作ることができ得ないらしい。
どんな勤め人でも本当に忙しい人は閑をつくり参加するが毎日閑の
人には余暇が作れなくなってくる。
忙しい人には合間を作り道楽を楽しむ氣が充実しているが閑の人に
は時間を作る気もなく、道楽を楽しむ気もなくなってしまうことを早く
来た人達が話していた要旨であった。
熟考してみると30〜40代で気が充実している時に趣味、道楽を持ち楽
しむ余力がなければ定年になったり、60代になってから始めようと思っ
ても時間はあるが、真から楽しむ閑の時間を作れなくなる。
ボケッとした時間の閑だけで道楽をたしなむ閑はつくれない。
主の仕事を持ち、合間に道楽を持ってたしなむ人にとっては仕事の充
実した氣の延長で道楽に向けることができる。 又道楽を楽しむ時に
フッと仕事のことが浮かび、第三者的観の眼で自らを冷静に見ること
ができるようになってくる。
日々の仕事が忙しい、忙しいとそれだけに費やして他に気が向かない
人が多いように思う。
忙しいことで、其の仕事にだけに精神を集中していると、森の中で一
本の木の根を、顕微鏡で調べているのと同じで、その木の上の幹が、
枝が葉が枯れていることが気がつかない、掴めない状態になる。
忙しければ忙しいほど離れて部分ばかりを追いかけずに全体から見
つめる必要が出てくる。
細かい仕事ばかりをしていたものが上に立って指揮しても今までの顕
微鏡的見方をしていたものが、鳥の眼、俯瞰した見かたはできない。
そこで忙中閑をつくる努力が必要となる、閑をつくり旅行するなり他
の熱中できることで学習するなり、異なる行事を入れる努力をするこ
とである。 遠く離れた位置より気になるもう一つの仕事を考えるよ
うになる、その離れた時に第三者的見かたが生まれるのである。そし
てインスピレーションが生まれ、良いアイデイアが出るのである。
日々の仕事に埋没しないで、表に出て離れて違ったことを無理に入れ
てみよう、必ず違った見かた、考えが生まれるはずである。
そのように仕事と道楽との二つの眼から出る考えから独自の仕事が生
まれることになる。 皆が顕微鏡的見方と望遠鏡的見方、考え方を常時
備えていればこれからの日本を世界に飛翔させることが出来得る人材、
組織を誕生する礎となるであろう。
働き盛りの人達が内心で暇になったら、時間に余裕ができたら道楽を
を楽しみたいと思っている人は時間に余裕ができても決して道楽を、
趣味を持つことはできない、忙しい時に道楽を身につけてこその道楽
の技、味わいを真に楽しむことができるようになる。
やっていみたいと思った今始めることをお勧めします。
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